無準師範のこと
無準師範(ぶじゅんしばん)は中国・南宋時代の禅僧で、日本からの留学僧である円爾(えんに)をはじめ、日本の禅宗にも影響を及ぼした。 日本にも多くの書画がもたらされ、墨蹟は3件の国宝と1件の重要文化財が指定されている。 東福寺には、南宋で描かれた肖像画が伝わっている。
国宝『無準師範墨蹟(板渡しの墨蹟)』
後に東福寺の開山となる円爾(又は弁円とも)は、無準師範に参禅した南宋への留学から戻ると、仁治3年(1242年)に博多に承天寺を開いた。 南宋では、同年の淳祐2年(1242年)に師の無準師範が住持をつとめた万寿寺が火災に遭い、その知らせを聞いた円爾は再興のために板1,000枚を寄進した。 この墨蹟はその寄進への礼状で、この逸話から「板渡しの墨蹟」と呼ばれる。 茶席の掛物として珍重され、松平不昧公の所有となり松平家に伝来し、松平家から寄贈され東京国立博物館に収蔵されている。
この国宝を観るには
それほど頻繁に公開されないが、東京国立博物館で3~5年に1度程度は公開され、他館への貸し出しもある。
公開履歴
2023/11/3~12/3 京都国立博物館「東福寺」
2023/3/7~4/2 東京国立博物館「東福寺」
2022/10/18~11/13 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2021/10/19~11/14 東京国立博物館 東洋館「中国書画精華」
2020/10/6~11/29 九州歴史資料館「福岡の至宝に見る信仰と美」
2017/10/3~10/15 京都国立博物館「国宝」
2017/5/23~6/4 東京国立博物館「茶の湯」
2014/10/15~11/9 東京国立博物館「日本国宝展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-598
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00055-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】無準師範墨蹟〈尺牘/〉
【ふりがな】ぶじゅんしばんぼくせき
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.03.29
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