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情報|京都国立博物館「東福寺」2023/10/7~12/3

情報-博物館・美術館

東福寺のこと

駅の名前にもなっていますので、関西の方にとっては有名寺院であろう「東福寺(とうふくじ)」は、臨済宗東福寺派の大本山で、京都五山の第4位、奈良で興隆を誇った「東大寺」と「興福寺」から一文字ずつ取って「東福寺」と名付けられた古刹です。 鎌倉時代の嘉禎2年(1236年)に、摂政の九条道家が円爾弁円(えんにべんえん、諡号は聖一国師)を開山に迎えて創建されました。

創建当初は天台・真言・禅の兼学でしたが、鎌倉~南北朝時代に数度の火災にあい、再建後には禅宗の寺院になったということです。 その後もその時々の有力者の庇護を受けて、明治まで数多くの伽藍が残っていましたが、明治14年の火災で堂宇の多くを焼失します。 焼失を免れた貴重な建造物の1つ『三門』は国宝に指定されています。 現在も25の塔頭があり、その内の1つ「龍吟庵」には最古の方丈建築といわれる国宝『方丈』が残っています。

「恩遠池」からのぞむ国宝『東福寺三門』

特別展「東福寺」

春に東博で開催された展覧会が、地元京都に巡回します。 展示リストを見ると8割ほどは同じですが、一部に東京のみ京都のみの展示品があるようで、特に第4章の禅宗文化と海外交流のあたりでは、東福寺以外の京都の寺院からの出展が多いのが京博ならではです。 東博では東福寺の歴史や高僧と同じくらい画僧の明兆が印象に残る展示で、リストや構成を見ると京都でも同じようなので、こちらでも明兆ファンが増えそうです。

第1章 東福寺の創建と円爾
第2章 聖一派の形成と展開
第3章 伝説の絵仏師・明兆
第4章 禅宗文化と海外交流
第5章 巨大伽藍と仏教彫刻

京都国立博物館「東福寺」チラシ

この展覧会で観られる国宝

無準師範像[東福寺/京都]第1章

前期(10/7~11/5)

この展覧会の第1章は「東福寺の創建と円爾」というテーマで、東福寺開山の「円爾」が宋に渡って参禅した師の「無準師範(ぶじゅんしばん)」に関するものが多く出展されます。 禅宗では、弟子が悟りを開いて師の教えを継ぐことの証として、自身の肖像画や書などを与えました。 この肖像画は、円爾が無準師範から与えられたもので、絵の上部には無準師範の直筆で賛(文字)が書かれています。 前期のみの公開です。

無準師範墨蹟(円爾印可状)[東福寺/京都]第1章

10/7~11/2

こちらも無準師範から円爾に対して、悟りを開き法を継いだ証=「印可」として与えられたものです。 禅僧の書は「墨蹟」と呼ばれて、侘茶が流行すると茶席の掛物として掛軸に仕立てられて珍重されたようです。 この印可状は、嘉熙元年(1237年)10月の日付が入っています。 こちらも前期ですが、少し早めの11/2で終了するのでご注意ください。

無準師範墨蹟(板渡しの墨蹟)[東京国立博物館]第1章

11/3~12/3

今回公開される国宝で、唯一これだけが東福寺の所蔵品ではありません。 円爾が宋から帰国して博多に承天寺を開いた時に、無準師範が住持をつとめた万寿寺が火災に遭ったと聞き、再興のために板1,000枚を寄進しました。 その寄進に対して無準師範が書いた礼状なので「板渡しの墨蹟」と呼ばれています。 11/2までの東福寺所有の無準師範墨蹟と交代で、後期より少し早い11/3~会期終了まで公開されます。

国宝『無準師範墨蹟(板渡しの墨蹟)』東京国立博物館

宋版太平御覧[東福寺/京都]第4章

日本の平安中期~鎌倉時代にあたる中国の宋時代には、印刷技術が大きく発展し、美しい木版の書物が多く出版されました。 入宋僧や貿易によって日本にももたらされていて、この太平御覧は北宋の皇帝が命じて編纂された百科事典のようなものです。 全1,000巻の太平御覧で、東福寺に現存するのは103冊と約1割ほどです。 今回はその中から、前期には目録3と第1冊が、後期には第87冊と第100冊が公開されます。

宋刊本義楚六帖[東福寺/京都]第4章

こちらも南宋時代に発行されたもので、仏教に関する語句を区分して多くの典籍から引用を行う「類書」の形式の仏教辞典です。 太平御覧と同じ第4章で、前期には第5冊と第6冊、後期には第11冊・第12冊が公開されます。

禅院額字并牌字[東福寺/京都]第5章

漢字が並んでどんなものか分かりづらいですが、「禅院=禅宗の寺院」に掲げられる「額字・牌字=堂宇に掲げられる看板やプレートのようなもの」です。 大人数が起居する大寺院では、「方丈」「浴司」などの建物名や、「書記」「維那」など役職名を掲げたようで、これはその書のお手本です。 1枚1枚がとても大きく、近くで観るととても迫力があるものです。 東京・京都・奈良の国立博物館に別れて寄託されていて、公開が多いものと少ないものがありますが、今回は公開期間をずらして全19点すべてが公開されます。

10/7~10/22: 普門院・大円覚・知客・三応・書記・普説
10/7~11/5 : 上堂
10/24~11/12:東西蔵・解空室・前後・浴司・小参・説戒
11/14~12/3 : 旃檀林・方丈・維那・首座・秉払・勅賜承天禅寺

東福寺での国宝特別公開

明治の火災で古い建物はあまり残っていない東福寺ですが、2件の国宝建築物があります。 展覧会と紅葉シーズンが重なるこの秋は、2つの国宝を両方観ることができます。 微妙に公開時期がズレますので、ご注意ください。

また、この展覧会の第3章で特集されている明兆の代表作「大涅槃図」が、三門と同じ11/11~12/3に東福寺の法堂で公開されています。 京博からは京阪電車で1区間か、市バスも何本も走っている経路ですので、展覧会の前後に現地を訪れるとより充実すると思います。

国宝『龍吟庵 方丈』[東福寺塔頭/京都]

特別公開期間:11/1~12/3

毎年秋の紅葉シーズンに公開される龍吟庵方丈は、屋根の修理工事でここ数年は公開がなかったので、久しぶりの特別公開です。 国宝の方丈は1387年に建てられた現存最古の方丈建築だそうです。 方丈の周囲ぐるっと重森三玲のモダン庭園が囲んでいて、紅葉した葉が白砂に落ちたところはとても美しいんです。 建物は写真撮影不可ですが、庭園は写真撮影可能です。

国宝『龍吟庵 方丈』の庭園

国宝『東福寺 三門』二層に上がって内部拝観[京都]

特別公開期間:11/11~12/3

現在の駅やバス停からの経路だと、伽藍の奥に位置してしまう三門ですが、建てられたころはこちらが正面だったのです。 外観はいつでも観られますが、特別公開期間は2階部分に上がって中に安置された仏像や、明兆と弟子が描いたといわれる天井画などを観ることができます。 階段がかなり急ですので、女性の方はスカートは避けた方がいいですよ。

国宝『東福寺 三門』

展覧会 概要

期間:2023/10/7~12/3
休館:月曜日(10/9は開館し、10/10が休館)
時間:9:00~17:30(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700

京都国立博物館 公式サイト
展覧会 特設サイト

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