国宝『東大寺 法華堂(三月堂)』
大仏殿より東に400mほどの若草山麓に建つ法華堂は、毎年3月に法華会が行われるので「三月堂」とも呼ばれる。 この一帯は、東大寺の前身である「金鍾寺」があり、法華堂の正堂はその遺構とされ、東大寺に残る堂宇の中で最も古い。 本尊は国宝の不空羂索観音で、天平勝宝4年(752年)の東大寺の絵図には「羂索堂」と書かれている。
法華堂は、奈良時代の建物で仏像を安置する「正堂(しょうどう)」と、鎌倉時代にその手前に建てられた「礼堂(らいどう)」がつながっている。 元は別の建物が隣接していたが2棟が繋げられた。 その時に、礼堂の屋根が寄棟造りから、正面に破風のある入母屋造りに改装されたので、横から見ると複雑に見える。
法華堂の国宝
不空羂索観音立像
梵天・帝釈天立像
四天王立像
金剛力士立像
執金剛神立像
この国宝を観るには
東大寺の有料拝観は、大仏殿・法華堂・戒壇堂などが全て別々の入場になっており、外観はいつでも無料で観ることができる。
時間:7:30~17:30(11~3月は8:00~17:00)
料金:中学生以上¥600、小学生¥300
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2436
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00017
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】東大寺法華堂
【ふりがな】とうだいじほっけどう
【員数】1棟
【時代・年】正堂:天平19年(747年)頃、礼堂:正治元年(1199年)
【寸法・重量】正面五間、側面八間、前部入母屋造、後部寄棟造、本瓦葺
閼伽棚を含む
【附指定】棟札1枚
【所在地】奈良県奈良市雑司町
【国宝指定日】1951.06.09
鑑賞ログ
2019年1月
東大寺の上院エリアで、二月堂と手向山八幡宮の間、向かいには四月堂があります。 二月堂が派手なので、三月堂は地味な感じですが、このひっそりからは想像できない仏像のレベルの高さです。 一部は東大寺ミュージアムに移されていますが、それでも国宝仏が10躯もあります。
と、仏像に意識が行ってしまうのですが、何度も戦火にあっている東大寺にあって、この法華堂は一番古い堂宇なんだそうです。 国宝の『転害門』や『本坊経庫』も奈良時代の建築ですが、お堂は全て再建なんですね。 よく見ると、奈良時代の正堂部分の屋根瓦が色とりどりになっています。 元興寺の行基葺きの瓦の色合いにもちょっと似ていますが、この瓦も当時のものが使われているのでしょうか?