国宝『天燈鬼・竜燈鬼立像』
運慶の三男「康弁」が建保3年(1215年)に制作した木造彫刻で、通常は四天王に踏まれるなどで仏教美術にみられる「邪鬼」に、仏前に供える灯をともす「燈籠」を持たせるという、独創的な作品。 興福寺には、中央にある金堂「中金堂」を中心に、東に現存する『東金堂』、西には焼失から再興されなかった「西金堂」があり、この2像は西金堂の須弥壇に安置されていた。 かつて西金堂に安置されていた遺物では、国宝『八部衆立像』『十大弟子立像』『金剛力士立像』『華原磬』などがあり、現在は全て国宝館で公開されている。
天燈鬼(てんとうき)は、身体が赤く口を大きく開き、左肩に燈籠を担ぎ下から左手の平で燈籠を支え、仁王像のように躍動感のあるポーズをとる。 竜燈鬼(りゅうとうき)は、身体が緑で首には竜が巻き付き、腹前で手を組んで、頭上に乗せた燈籠を少しとぼけたような表情で見上げる。 竜燈鬼の像内から「建保三年卯月廿六日法橋康弁作」と書いた紙が見つかり、制作者と年代が判明している。
この国宝を観るには
興福寺の国宝館で常時展示されている。
館外での公開
2025/4/19~5/18 奈良国立博物館「超・国宝-祈りのかがやき-」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-251
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00088-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造〈天燈鬼/竜燈鬼〉立像
【ふりがな】もくぞうてんとうきりゅうとうきりゅうぞう
【員数】2躯
【国】日本
【時代・年】1215年
【ト書】竜燈鬼像内納入の紙片に建保三年卯月廿六日法橋康弁作とある
【所有者】興福寺
【重文指定日】1900.04.07
【国宝指定日】1954.03.20