情報｜奈良大和四寺巡礼

道明上人が朱鳥元年（686年）に天武天皇の病気平癒を祈願し、国宝の『銅板法華説相図』を本長谷寺（五重塔付近）に安置したことに始まる古刹で、奈良時代には聖武天皇の勅願でまつられた十一面観音は平安時代の貴族たちも多く参詣して源氏物語にも登場します。　本堂は、観音を本尊とする寺に多い懸造りで建てられています。

室生の地は洞窟が多く竜神が住むといわれ、乞雨や止雨の祈祷が多く行われました。　天武天皇の勅願によって役小角が建立し空海が再興したと伝わりますが、史実では山部親王（後の桓武天皇）の祈祷のために奈良時代末に開かれたようです。　高野山が女人禁制だったのに対し、室生寺は女性の参詣を許したので「女人高野」とも呼ばれました。　　

岡寺は正式名称を「東光山 真珠院 龍蓋寺」といい、日本で最初に僧正の位を賜った義淵僧正が、天智天皇の勅願によって建立しました。　大化の改新の舞台でもある飛鳥宮に近い「岡山」の中腹にあったので「岡寺」と通称されています。　

安倍文殊院は、大化の改新後に左大臣になった「安倍倉梯麻呂（あべのくらはしまろ）」が安倍一族の氏寺として、「安倍山崇敬寺」（安倍寺）を建立したことに始まります。　戦国時代に焼失した伽藍も江戸期には文殊菩薩を本尊として再興されたようです。　境内には、平安時代に陰陽師として重用される安倍晴明をまつる晴明堂や、安倍氏に関係があるとされる古墳などがあります。

源氏物語にも登場する長谷寺ですが、本堂も本尊も何度も焼失していて、現在の国宝『本堂』は江戸時代に徳川家光の寄進によって再建されました。

奈良大和四寺巡礼特別参拝

料金：￥2,500
時間：10時～、14時～
内容：仁王門前から僧侶の方の案内、本堂外舞台で法楽、本尊特別拝観、巡礼衣ご朱印、護摩木、境内自由拝観

室生寺は、３つの国宝建造物と３つの仏像、本尊の後ろの壁画と、７件の国宝を現地で観ることができます。

まず参拝入口からすぐの場所に建つ寳物殿では『十一面観音立像』と『釈迦如来坐像』という２つの仏像にお目にかかれます。

参道を進み鎧坂を上がると見えてくるのが国宝『金堂』で、通常は縁から拝観するのですが、特別拝観では外陣に入って国宝本尊『釈迦如来立像』やその背後の国宝『金堂来迎壁（板絵曼荼羅）』を間近で観ることができます。

左奥の階段を登ると国宝『本堂』が現れます。　こちらは灌頂の儀式を行うので灌頂堂とも呼ばれる建物で、中に入って参拝できます。

更に左奥の階段を登ると国宝『五重塔』があります。　屋外に建つ五重塔では一番小さいですが、法隆寺の次に古いのだそうです。

奈良大和四寺巡礼特別参拝

料金：￥1,900
時間：10時～、14時～
内容：金堂外陣での特別拝観、本尊前でお勤め、巡礼衣ご朱印、護摩木、境内自由拝観