国宝『慈光寺経(法華経一品経・阿弥陀経・般若心経)』
経の章節のことを「品(ほん)」と言うが、法華経8巻は28品あり、それを1巻ずつにしたものが「一品経」で、慈光寺に伝わる一品経は付属の巻も合わせて33巻が揃っている。
平安から鎌倉時代にかけて、供養のために縁者が1巻ずつ写経する事がよく行われた。 後鳥羽上皇が、太政大臣だった九条家の藤原良経の死を悲しみ、中宮宜秋門院を中心に当時の高位の貴族や僧侶が写経をしたもの。 目録が付いているので誰が何巻を書写したかが分かっている。
埼玉県比企郡にある天台宗の寺院「慈光寺」に伝わったので「慈光寺経」と通称される。 国宝の平家納経や久能寺経などと同じ「装飾経」で金銀箔が散らされた大変豪華なもので、巻ごとに装飾が異なる。
この国宝を観るには
東京国立博物館と奈良国立博物館に寄託されており、比較的頻繁に公開される。 巻数が多いので、他館への貸し出しもある。 所有者の慈光寺にはレプリカが展示されている。
公開履歴
2024/10/5~11/24 中之島香雪美術館「法華経絵巻と千年の祈り」
2023/11/7~12/3 東京国立博物館「やまと絵」
2023/9/20~10/29 東京国立博物館 3室
2022/11/1~12/4 埼玉県立歴史と民俗の博物館
2022/4/12~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2021/10/12~11/21 東京国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2021/2/16~3/21 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術(通常展)」
2020/9/1~9/27 埼玉県立歴史と民俗の博物館「みほとけの世界」
2019/11/26~ 2019/12/25 東京国立博物館 国宝室
2019/8/20~2019/9/23 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術(通常展)」
2019/4/23~2019/6/9 埼玉県立歴史と民俗の博物館「慈光寺経と小水麻呂経」
2019/2/5~2019/3/10 東京国立博物館 国宝室
2019/1/16~2019/2/17 奈良国立博物館
2017/9/26~2017/10/22 東京国立博物館 国宝室
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-603
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00061-01
【種別】書跡・典籍
【指定名称】法華経一品経
【ふりがな】ほけきょういっぽんぎょう
【員数】33巻
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】慈光寺
【国宝指定日】1954.03.29