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情報|和歌山県立博物館「きのくにの名宝」2021/10/16~11/23

情報-博物館・美術館

きのくにの名宝-和歌山県の国宝・重要文化財-

和歌山市の中心地、和歌山城の隣に建つ「和歌山県立博物館」秋の特別展は、創立50周年記念展で「きのくにの名宝-和歌山県の国宝・重要文化財-」が開かれます。 博物館のWebサイトによると、和歌山県には36件の国宝と、394件の重要文化財があり、国宝数は全国で6位、重要文化財数では全国7位なんだそうです。 高野山と熊野三社という古くからの信仰の地があり、江戸時代には紀州徳川家が治めた地なので、この数もうなずけます。 

展覧会は、県内の寺社から仏像や神像を集めた「きのくにの仏像と神像Ⅱ」、古文書や荘園図が中心の「きのくに荘園の世界」、1,200点以上の神宝類から25点が公開される「国宝・熊野速玉大社の古神宝類」、徳川家康の遺品や紀州徳川家に伝わる名刀が揃う「紀州東照宮の名宝」、応挙の弟子で師の名代で和歌山に滞在して多くの絵を描いた長澤芦雪の大型の絵が並ぶ「芦雪・応挙 紀南寺院の障壁画」に分かれています。

神仏像は青岸渡寺や紀三井寺といった有名寺院から、初めて見る名前の寺社のものまで37点もあり、全て前後期通しての公開になるようです。 第2章の荘園については予備知識が無いのですが、高野山に伝わる宝簡集のような、寺社の文書類が多そうです。 いつもは東博でお目にかかる太刀拵と鏡の2つの国宝は、このコーナーで公開されるようです。 

足利義満が奉納したものも含まれる熊野大社の古神宝からは、装束類や装飾品、手箱や武具など、網羅的に展示されるようで、いわゆる十二単の古い作例を観ることができます。 紀州東照宮の名宝では、おそらく紀伊徳川家から奉納されたのでしょうか、家康の遺品が前後期で10点以上出るようで、家康所用の安綱の太刀は観てみたいものです。 この辺りは家康の遺品の駿府御分物なのかもしれませんが、紀州には目録が残っていないので詳細不明なんですよね。

最後の応挙と芦雪のコーナーもとても魅力的ですね。 応挙の作品は草堂寺の2点だけで、芦雪が前後期あわせて9点、芦雪で有名な無量寺の襖絵「龍虎図」他数点は写真パネルでの展示のようです。 成就寺・草堂寺・高山寺という3つのお寺からの出展で、唐獅子図などは襖絵のようですので、遠方で観るのは難しい作品が並びそうです。 地元ならではの展示でいいですね。 芦雪の描く動物の絵が大好きなので、タイトルをざっとチェックしましたが、牛図、蛙図、唐獅子図、群雀図などなど、どこかに子犬は紛れ込んでいるでしょうか???

和歌山県立博物館「きのくにの名宝」チラシ

この展覧会で観られる国宝

古神宝類[熊野速玉大社/和歌山]

蒔絵手箱は東博でも時々公開されますが、装束類が公開されることは少なく、衵・裳・唐衣など数種の装束と、冠や檜扇といった装飾品まで観られるのは貴重です。 

速玉大神・夫須美大神・家津御子大神・国常立命坐像[熊野速玉大社/和歌山]

熊野速玉大社には国宝の神像が4点あり、その全てが公開されます。 チラシの表中心に大きく載っているのが、熊野速玉大社の主祭神「速玉大神」です。

人物画象鏡[隅田八幡神社/和歌山]

古墳時代4~5世紀頃に日本で作られた銅鏡で、時々東博平成館の1階で展示されています。 同じ時代の鏡と比べても個性的で、中国古代青銅器のようなエキゾチックな模様です。

銀銅蛭巻太刀拵[丹生都比売神社/和歌山]

蛭巻は、金属製の薄い板を斜めに鞘に巻き付けて、ストライプのような模様を作るもので、黒漆地に現在は黒っぽくなった銀銅を巻いていて、とてもモダンな印象の太刀拵です。 東博に寄託されているので、今回はお里帰りですね。

続宝簡集・又続宝簡集[金剛峯寺/和歌山]

宝簡集は、高野山に伝わる文書類や書状などから、特に重要なものを選んで巻物に仕立てたもので、続宝簡集と又続宝簡集も作られています。 今回は平安~室町時代に書かれた数点が出るようです。

和歌山県立博物館「きのくにの名宝」チラシ より

展覧会 概要

期間:2021/10/16~11/23
時間:9:30~17:00(入館は30分前まで)
休館:月曜日(11/22は開館)
料金:一般¥1,000、大学生¥800、高校生以下無料

和歌山県立博物館 公式サイト

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