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情報|静嘉堂文庫美術館「響きあう名宝」2022/10/1~12/18[東京]

情報-博物館・美術館

静嘉堂文庫美術館「響きあう名宝」

世田谷区の閑静な高台で、元は岩崎家の広大な邸宅があった場所に建っていた「静嘉堂文庫美術館」は、この秋に丸の内の明治生命館に移転しました。 以前の場所は、緑豊かな小道を登るとみえるクラシックな建物群が素敵でしたが、行くとなると半日がかりでしたので、リニューアル後は気軽に行けそうで助かります。

世田谷での最後の開館や、1年延期されて昨年開催された三菱一号館美術館での「三菱の至宝」に続き、リニューアル第1段の展覧会でも静嘉堂文庫の所蔵する全国宝が公開されます。 今回は、3件の絵画は前期のみの公開、その他4件の国宝は期間を通して公開されます。 国宝ではありませんが、本能寺と大阪の陣をくぐり抜けた「九十九髪茄子(つくもなす)」の茶入など、歴史的な名品も公開されますので、美術好きだけでなく歴史好きも楽しめそうです。

この展覧会で観られる国宝

倭漢朗詠抄 巻下残巻

倭漢朗詠抄(和漢朗詠集)は、藤原公任によって編纂された、声に出して歌うように詠む「朗詠」のための歌集です。 名前の通り「和」の和歌と「漢」の漢詩がありますが、仮名と漢字がそれぞれ見事にかき分けられ、書かれている料紙も非常に美しいです。 掛川藩主だった太田家に伝わったので「太田切」とも呼ばれます。

曜変天目(稲葉天目)

天目茶碗は、喫茶の習慣が日本に伝わった頃にもたらされたようで、天目台という専用の台座に乗せて提供します。 曜変というのは内側に表れた星のような模様で、完成品は日本に3椀残っているだけという貴重なものです。 徳川家光が、乳母の春日局が病に臥せった時に、この碗で薬を飲むように贈り、春日局の実家の稲葉家に伝わったので「稲葉天目」と呼ばれています。

趙子昂書 与中峰明本尺贖

字の趙子昂よりも趙孟頫(ちょうもうふ)の名前の方が有名かもしれない中国の政治家・文人で、王羲之風の書で評価が高いです。 中国の南宋の皇族だったのですが、元になるとフビライに仕え、それから5代の皇帝に仕えた人物です。 日本からの留学僧が多く参禅した「中峰明本」という禅僧に宛てて書かれた書状です。

太刀 銘 包永

包永(かねなが)は、刀剣の名産地「五箇伝」の大和国(現在の奈良県)の刀工で、東大寺に現在も残る転害門(てがいもん)の近くに住したので手掻派(てがいは)を名乗りました。 包永の名前は何代かいますが、この太刀は初代包永の代表作です。

風雨山水図(伝馬遠筆)

前期(10/1〜11/6)のみ

中国・南宋時代の宮廷画家「馬遠(ばえん)」の作だと伝わる絵で、水墨画に淡い色彩を加える墨画淡彩で描かれています。 日本の水墨画に大きな影響を与えたといわれる作品です。

禅機図断簡(智常禅師図)(因陀羅筆)

前期(10/1〜11/6)のみ

中国の禅僧「因陀羅(いんだら)」が、禅の逸話を描いたもので、上部には楚石梵琦という僧の賛が入っています。 この禅機図は元々一連の作品だったと思われる5点が現存し、それが全て国宝に指定されています。

源氏物語 関屋・澪標図屏風(俵屋宗達筆)

前期(10/1〜11/6)のみ

風神雷神図で有名な琳派の祖「俵屋宗達」は、3つの絵画が国宝に指定されていて、この源氏物語を描いた1双の屏風はその1つです。 第14帖の関屋と、第16帖の澪標の段が描かれています。 人物の表情やたたずまいがとても愛嬌があって可愛らしいのですよ。

展覧会 概要

日程:2022/10/1〜12/18
休館:月曜日、11/8・9
時間:10:00〜17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,500、大高生¥1,000、中学生以下無料

静嘉堂文庫美術館 公式サイト

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