2019年 新指定国宝

2019年3月18日文化庁から、3件の重要文化財が国宝に指定される見込みだと発表されました。 3件ですが、壁画が5面、仏像が1件あたり5体と6体なので、合計16点です。 昨年は5件の指定ですが、三十三間堂の仏像1,001体があったので、合計1,073点でした。

同時に重要文化財の指定も発表されており、41件が重要文化財に指定される見込みです。 これらの国宝・重要文化財は、4/16~5/6まで上野の東京国立博物館で開催される「2019年新指定国宝・重要文化財」展で展示されます。 キトラの壁画も持ってくるのでしょうか? 2014年に修復の途中で東博で公開された時は数時間待ちの大行列だったのですが、観ておいてよかったです。

キトラ古墳壁画

これは「え?国宝じゃなかったの?」というレベルで有名ですね。 すでに壁画が国宝に指定されている「高松塚古墳」よりも少し古い年代で、7世紀末~8世紀初頭のものだと考えられているようです。 1983年に発見されたので、35年を経ての国宝指定となります。

石室は、内寸で高さ・幅とも1mほど、奥行が2m40cmとあまり広くなく、内側には漆喰が塗られており、その四方と天井に壁画が描かれています。 カビの発生や高湿度の中で使用できる接着剤が難しいこと等から、壁画ははがされて保存されることになりました。

北:玄武・十二支(子・丑・?)
東:青龍・十二支(寅)
南:朱雀
西:白虎・十二支(推定亥)
天井:天文図
※十二支は欠失部分が多く、北の子から時計回りに3体ずつあったと考えられる。

木造五智如来坐像[安祥寺]

京都・山科の「安祥寺」伝来の五智如来ですが、京都国立博物館に寄託されており、名品ギャラリーで観られることが多いのでご覧になった方も多いのではないでしょうか? かなりの大きさがあり、京博・仏像エリアの目玉になっています。

安祥寺は、仁明天皇の女御(文徳天皇の母)藤原順子の発願で、入唐僧の恵運によって開かれ、創建当初は広大な敷地を持つ大寺だったようです。 時世や戦火で荒れたり再興したりを繰り返し、現在も堂宇がいくつかあるようですが、通常は非公開となっています。 ですが、ちょうど2019年春の「京都非公開文化財特別公開」で本堂の「十一面観音像」が公開されるようです。 新国宝指定の『五智如来像』は、ちょうど東博で公開される時期でしょうか。

五智如来は、金剛界の中心となる五仏のことで、東寺(教王護国寺)講堂の立体曼陀羅の中央五仏と同じ構成です。 こちらの五智如来は、大日如来が大きく(158.6cm)、他の4体は106~109cmほどの坐像です。 平安初期の安祥寺創建当時に作られたもので、どっしりとした体格をしています。

大日如来(だいにちにょらい)
阿閦如来(あしゅくにょらい)
宝生如来(ほうしょうにょらい)
阿弥陀如来(あみだにょらい)
不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)

唐招提寺 木造仏6躯

唐招提寺の奈良時代の木造仏6体をまとめて1件の国宝に指定するようです。 全て重要文化財に指定されていたもので、2体は講堂の本尊の左右に、4体は「新宝蔵」にあります。 新宝蔵は、3~6月・9~11月・年末年始のみ開館されます。 この4体も元は講堂に安置されていたもののようです。

現在も講堂にある2体は『木造二天王立像』となっていますが、「持国天」と「増長天」です。 奈良時代のお堂だと「四天王」が配置されることが多いですが、こちらは中尊(弥勒仏坐像)の両脇に2体で配置されています。 中尊が坐像で3m弱と大きいのに対し、この2体は立像で130cmほどと小ぶりです。 鑑真と一緒に来た工人の作だと考えられている像は、唐の様式が多くみられるようです。

現在は新宝蔵に収蔵されている4体も、二天王像と同じく鑑真とともに来日した工人によるものだと思われ、カヤの一木造りで作られています。 4体とも等身大ほどの大きさですが、4体とも手が欠損しているようです。 これらよりも少し流麗ですが頭部と手先が欠損している「唐招提寺のトルソー」は指定されなかったようですね。

薬師如来立像(163.7cm)
衆宝王菩薩立像(173.5cm)
獅子吼菩薩立像(170.8cm)
大自在王菩薩立像(170.8cm)

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