令和2年(2020年)新指定国宝

令和2年(2020年)新指定国宝

2020/3/19に、今年の新国宝が発表されました。 国宝の指定は、文化審議会の「文化財分科会」で決定した内容を、文部科学大臣に答申して指定されるという流れで、この答申の決定でほぼ国宝が決まるということになります。 美術工芸品は、この時期に決定しますが、実際に国宝に指定されるのは夏頃になります。

阿弥陀如来坐像(院覚作)[法金剛院/京都]

京都御所から西に4kmほど、JR花園駅前にある「法金剛院」は、平安時代の初期に公家の清原氏の山荘を寺に改めたもので、当時は天皇の行幸がたびたびありました。 平安末期には、鳥羽天皇の中宮で崇徳天皇や後白河天皇を産んだ待賢門院が再興し、多くの伽藍が立ち並び四季の花が咲く庭園も整えられます。

国宝に指定される阿弥陀如来坐像は、元は西御堂の本尊で、平安末期に作られた定朝様の阿弥陀如来坐像で、像高は丈六より小ぶりの220cmです。 おだやかな姿で阿弥陀定印を結び、台座の蓮弁には豪華な彫刻が施されています。 現在は、礼堂の奥にある「仏堂」に安置されている。

作者の「院覚」は、定朝の孫で院派の祖とされる院助の子(弟子説もある)です。 院派の七条大宮仏所を継いで宮廷の造仏に携わったようで、後に法眼位を授かります。

拝観可能な寺院なので、受付時間内はいつでも参拝できます。
法金剛院 公式サイト

法金剛院の礼堂、この奥に仏殿がある

木造天蓋[法隆寺金堂/奈良]

法隆寺の本堂にあたる「金堂」の内部は、壁はありませんが3つの間になっていて、中央に国宝『釈迦三尊像』、向かって右手に国宝『薬師如来像』、左手に鎌倉時代に作られた「阿弥陀三尊像」が安置されています。

それぞれの本尊の上部に、方形の天蓋がつるされていますが、この大きさは本尊の台座に相当しているようです。 中の間と西の間の天蓋は、金堂や仏像が作られたのと同時期の飛鳥時代に作られたもので、東の間は鎌倉時代の後補です。 鳳凰や天人の細工がついていて、彩色もまだきれいに残っています。

金堂は公開エリアなので、拝観時間内はいつでも観ることができます。
法隆寺 公式サイト

法隆寺金堂

鼉太鼓(だだいこ)[春日大社/奈良]

雅楽などで使われる大型の太鼓で、太鼓の革面には巴紋が金で描かれ、太鼓のまわりは龍と鳳凰の彫刻が付き、その周囲を火焔の彫刻で飾っています。 800年以上続く「春日若宮おん祭」で使われたもので、現在は国宝殿の1Fに置かれているレプリカがおん祭で使われています。

この鼉太鼓の彫刻は、近くにある東大寺や興福寺の仏像を多数手がけた「慶派」によるもので、仏像以外の慶派の作例としては最大級のものだそうです。 レプリカは極彩色ですが、現物は色が落ちていて木地が出ているので、かえって彫刻がよく観られます。

レプリカは、国宝殿の1Fに常設展示されていて、ガラス張りなので外からでも観ることができます。 本物は、2Fの有料企画展示に出展されるときだけで、今年の7月までは展示品に入っていないので、それ以降に企画展で公開されるのではないでしょうか。
春日大社 国宝殿 公式サイト

鼉太鼓レプリカ 陽の太鼓は龍に三つ巴
鼉太鼓レプリカ 陰の太鼓は鳳凰に二つ巴

群馬県綿貫観音山古墳出土品[群馬県立歴史博物館]

綿貫観音山古墳は、群馬県高崎市にある全長100mほどの前方後円墳で、昭和42年(1967年)~翌43年(1968年)に発掘調査され、未盗掘の石室からは、古墳時代後期(6世紀後半)の遺品が500点以上発見されました。 被葬者はわからないようですが、この地方のかなりの有力者だと思われます。

埴輪は、人や動物・家などを模した形象埴輪で、儀式のように並べられていて、権力の継承ではないかと考えられているようです。 他には金属製品などが多数出土していて、権力や武力を象徴する剣や馬具・武具、優雅な水瓶などがあります。 出土品の中には、大陸との交流を想像できるものも多く、当時の文化交流が想像されます。

出土品の所有は国ですが、群馬県立歴史博物館に所蔵されていて、常時公開されているようです。
群馬県立歴史博物館 公式サイト

新国宝の公開

★新型コロナウィルス感染拡大防止のため、特別公開は中止になりました

毎年恒例になっている新国宝の公開は、2020/4/21~5/10に東京国立博物館本館で行われます。 これには、全ての新国宝・新重要文化財が出展されるわけではなく、何点かの一部が出展されたり、大型のものはパネル展示になることもあります。

特別展ではなく通常展なので、4/1から値上がりしても大人¥1,000で観ることができます。 ちなみに「国立博物館メンバーズパス」は¥2,000ですが、1年間は全国4か所の国立博物館の常設展に何度でも入れるので、とってもお得ですよ!

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