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国宝-書跡典籍|称名寺聖教/金沢文庫文書[称名寺/神奈川]

国宝DB-書跡・典籍

称名寺と金沢文庫

この地は、北条氏の一族である「金沢流(かねさわりゅう)北条氏」の本拠地で、称名寺は菩提寺、金沢文庫は邸宅内に作った文庫。 金沢文庫は武家の文庫としては最古級で、当時の呼び名は「かねさわぶんこ」だが、現在は「かなざわぶんこ」になっている。 

鎌倉幕府の終焉とともに金沢北条氏が滅亡すると、金沢文庫は近代に至るまで称名寺の管轄下におかれる。 この時期に少なくない貴重な文書類が外部に流出している。 昭和5年には神奈川県の管理下に置かれ、現在では博物館も併設し、貴重な文書類の研究や展示を行っている。

称名寺 仁王門

称名寺聖教/金沢文庫文書

称名寺に伝わる「聖教(しょうぎょう)」16,692点と、金沢文庫に伝わる「文書(もんじょ)」4,149通が一括で国宝指定されている。

「聖教(しょうぎょう)」は仏教の経典類のことで、経典や注釈書のほか、儀式の手順書や仏像の様式図なども含まれる。 20世紀に入ってから発見されたものがほとんどで、かなりの量がバラバラの状態で長持に入っていたという。 現在でも修復と解読が続けられている。

「金沢文庫文書」は、金沢文庫に伝わる武士や僧侶の書状や、領地内の政務に関する記録など多岐にわたる。 北条貞顕(金沢貞顕)の書状が500を超える数で最も多い。

金沢文庫 パンフレットから
金沢文庫 パンフレットから

この国宝を観るには

金沢文庫での展覧会ではほぼ毎回、この聖教・文書から何点かがその時のテーマにあわせて出展される。 数が2万点以上と膨大なため全てを観ることは難しいが、約2ヶ月程度で展示替えがあり、料金も数百円と安価なので比較的よく観られる国宝。

金沢文庫 公式サイト

称名寺境内からトンネルを抜けると金沢文庫

称名寺の国宝

北条実時像・北条顕時像・金沢貞顕像・金沢貞将像
文選集注

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-11722
【指定番号】277
【種別】書跡・典籍
【指定名称】称名寺聖教/金沢文庫文書
【ふりがな】しょうみょうじしょうぎょう/かなざわぶんこもんじょ
【員数】16692点/4149通
【時代・年】平安~明治(12~19世紀)
【所在地】神奈川県立金沢文庫
【所有者】称名寺
【国宝指定日】2016.08.17
【説明】本件は,金沢氏の菩提寺(ぼだいじ)であった称名寺と,北条実時(さねとき)の草創にかかる金沢文庫に伝来した史料群の一括で,聖教及び文書ともに,我が国における代表的な仏教・寺院史料及び武家文書として貴重である。 聖教,文書ともに,重要文化財の指定を受けていたが,これらを統合し,新たに明らかになった聖教類を追加することで,史料群の全体像を把握することができる。 鎌倉時代の浄土宗や禅宗などの鎌倉新仏教,真言宗をはじめとした旧仏教を問わず仏教史はもちろんのこと,政治史のみならず武家の文化を解明する上で欠かせない第一級の史料である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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