禅機図断簡とは
元は1巻だった因陀羅筆の「禅機図断簡」は、同名の国宝指定が5件あり、都内の美術館博物館が1巻ずつ所有するが、元は1つの作品だったと考えられる。 中国の禅僧「因陀羅」の作で、同じく中国の禅僧「楚石梵琦」の賛(画の上部などにコメントを書いたもの、自画自賛の語源)がある。
因陀羅の画は中国には残っておらず、文献などにもあまり登場しないらしい。 解説などで「独特な筆」と書いてあることも多く、髪やひげなどは乾いた筆をこすりつけるように描かれている。
国宝『禅機図断簡(智常禅師図)』
張水部(中唐の詩人張籍と言われ、水部の長官を歴任した人物)が、木の下に座る智常禅師から何かを諭されているところが描かれている。
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静嘉堂文庫のWebサイト「所蔵品紹介」で画像が見られます。
国宝に指定された『禅機図断簡』一覧
禅機図断簡(布袋蔣摩訶問答図)因陀羅筆[根津美術館]
禅機図断簡(智常禅師図)因陀羅筆[静嘉堂文庫]
禅機図断簡(寒山拾得図)因陀羅筆[東京国立博物館] ※画像あり
禅機図断簡(丹霞焼仏図)因陀羅筆[石橋財団]
禅機図断簡(智常・李渤図)因陀羅筆[畠山記念館]
この国宝を観るには
所蔵する静嘉堂文庫美術館で公開されることがあるが、機会はあまり多くない。
公開履歴
2022/10/1〜11/6 静嘉堂文庫美術館「響きあう名宝」
2021/8/11〜9/12 三菱一号館美術館「三菱の至宝」
2021/4/10~5/9 4/24 静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」※コロナで期間短縮
文化財登録データ
【台帳・管理ID】201-90
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00087-0
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画禅機図断簡〈因陀羅筆/(智常禅師図)〉
【員数】1巻
【国】中国
【時代・年】元時代
【作者】因陀羅
【品質・形状】
【ト書】楚石梵琦の賛がある
【所有者】静嘉堂文庫
【国宝指定日】1953.11.14