梅蒔絵手箱[三嶋大社]

梅蒔絵手箱[三嶋大社]

三嶋大社のこと

詳しい創建時期は不明だが、奈良時代の文献にはすでに名前が載っており、伊豆国の一宮とされた。 鎌倉幕府の初代将軍である源頼朝の崇敬を受け、たびたび寄進や奉納がされている。 鎌倉幕府の歴代将軍も参拝し、その後も北条氏や徳川氏など武門の崇敬があつかった。 東海道に面していることもあり、庶民からの信仰も集めた。

大山祇命(おおやまつみのみこと)
積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)
の2柱の神を総して、三嶋大明神(みしまだいみょうじん)とする。

国宝『梅蒔絵手箱』

源頼朝の正妻「北条政子」が寄進したと伝わる蒔絵の手箱で、内容物である化粧道具も全て国宝に指定されている。 内容物のほぼそろった化粧道具としては最古級で、風俗研究の資料としても貴重な遺品である。

三嶋大社宝物館パンフレットから

金粉を多く使った「沃懸地(いかけじ)」と呼ばれる手法で、梅の木や雁を描いたところに、漢字を散らすように織り交ぜる「葦手」と呼ばれる意匠で「榮・傳・錦・帳・雁・行」が書かれている。 これは中国の詩人白居易の詩から抜き書きしたもの。

内容品の一覧

白銅鏡 1面
銀軸眉作 1本
銀鋏 1箇
銀鑷 1箇
銀笄 1本
銀髪飾 4枚
蒔絵鏡箱 1合
蒔絵歯黒箱 2合
蒔絵白粉箱 1合
蒔絵薫物箱 2合
螺鈿櫛 18枚
螺鈿櫛残欠 4枚
手元結 2本
銀軸紅筆 1本

国宝の附指定

銀菊形鋺 1口
金銅扇形箱 1合
金銅菊文箱 1合
組紐残欠 1綴
袋残欠 1綴

この国宝を観るには

東京国立博物館に寄託されているので、数年に一度程度は企画展や本館の展示で観ることができる。

2019/5/22~7/7には「静岡デスティニーキャンペーン」の一環で、明治時代に三嶋大社から皇室に献上し、現在は東京国立博物館蔵となっている国宝『上杉太刀』とともに里帰りし、三嶋大社宝物館で揃って展示される。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-369
【指定番号】00081-00
【種別】工芸品
【指定名称】梅蒔絵手箱
【ふりがな】うめまきえてばこ
【員数】1具
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】縦25.8cm、横34.5cm、高19.7cm
【品質・形状】錫の置口を付けた合口造りの箱で、身に金銅製花菱亀甲形の紐金物を打ち、内に二重の懸子を納める。外部は金沃懸地に研出、付描、高蒔絵の技法をもって庭園の情景を描き、一重の梅花および「栄、伝、錦、帳、雁、行」の文字を銀平文とする。蓋裏および懸子には、梨地に研出蒔絵にて池畔の景を表す。鏡箱、歯黒箱、白粉箱、薫物箱などの小箱類も手箱とほぼ同じ様式の蒔絵になる。
【所有者】三嶋大社
【国宝指定日】1952.11.22
【説明】蓋表に梅樹、几帳と共に表された文字は、白楽天の『白氏文集』所載の一説から引用したもので、その歌意に取材した歌絵となっている。鎌倉時代前期の蒔絵に比べると金粉の種類も多く、各種の技法を駆使した高度な蒔絵技術が認められる。 図様よく整い、蒔絵の精妙な優作であると共に、化粧具としての内容品を具える最も古い手箱の遺品としても貴重である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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