国宝『中空土偶』
昭和50年に現在の函館市の畑から発見された土偶。 この土偶が発見された「著保内野(ちょぼないの)遺跡」からは他にも勾玉や装飾品などが発見されており、集団墳墓だったと考えられている。
中空土偶とは、中は空洞で薄く作られる土偶で、その中でも特に薄造りで細工も細かく傑作だといわれている。 高さが約40センチあり、中空土偶のなかでは大型な方である。
体部分、特に方から胸部分と下半身には模様が入っており、顎にはヒゲまたは刺青だと思われる模様も入る。 発見された頃の地名は南茅部町(現在は茅部地区と呼ばれる)なので地名の「茅」と、中空の「空」をとって「茅空(かっくう)」という愛称がある。
この国宝を観るには
函館市縄文文化交流センターで常設展示されている(貸出時等を除く)
館外での公開
2023/7/22~9/30 北海道博物館「北の縄文世界と国宝」
2019/10/26~11/10 長野県立歴史館「国宝土偶~縄文文化の多様な個性~」
2019/9/14~14/4 新潟県立歴史博物館「国民の文化財 あ、コレ知ってる!」
2018/10/17~12/8 フランス ギメ東洋美術館「縄文-日本における美の誕生」
2018/7/3~9/2 東京国立博物館「縄文―1万年の美の鼓動」
国宝に指定された土偶
土偶 縄文の女神[山形県立博物館]
土偶 縄文のビーナス[茅野市尖石縄文考古館/長野]
土偶 合掌土偶[八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館/青森]
土偶 仮面の女神[茅野市尖石縄文考古館/長野]
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-9985
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00042-00
【指定名称】土偶/北海道函館市著保内野遺跡出土
【よみかた】どぐう/ほっかいどうはこだてしちょぼないのいせきしゅつど
【時代・年】縄文時代
【出土】北海道函館市著保内野遺跡出土
【所在地】函館市縄文文化交流センター
【重文指定日】1979.06.06
【国宝指定日】2007.06.08
【解説】本土偶は亀田半島北部で、昭和50年に畑の耕作中に発見されたものである。いわゆる中空土偶であり、頂部に小突起をもつ。肩部は左右に大きく張り、胴部は括れ両足を併行して立つ形状であるが自立しない。膝下部で両足を筒で連結する。
鑑賞ログ
2018年8月
東京国立博物館「縄文展」
他の国宝土偶もだが、思っていたよりも大きかった。金曜の夜間開館で空いていたのでじっくり鑑賞。あごや胸などかなり細かい模様がついている。爪楊枝とかヘラみたいなもので作っていったのかな?という感じ。あごの模様はひげ?顔の刺青?