国宝『倶舎曼荼羅図』
倶舎論を図像化した曼荼羅で、釈迦に阿難と迦葉の釈迦三尊を中心に、倶舎宗の祖師や仏弟子が囲み、左右に梵天・帝釈天、四隅に四天王を配している。 描かれたのは平安時代だが、東大寺に奈良時代から伝わる図像を元に描かれている。
倶舎宗のこと
倶舎宗(くしゃしゅう)は、インドの僧「世親(せしん)」の著した「倶舎論」を研究した僧の集まりで、奈良時代の「南都六宗」の1つ。 この時代の宗派は、後世~現代の宗派とは異なり仏教を研究する学派で、1つの寺に複数の宗派の僧が所属することもあった。 後に兄の無著と共に、大乗仏教の唯識論を大成する「世親(せしん)」は、元は小乗仏教に属しており、倶舎論はその頃に書かれたもの。
この国宝を観るには
奈良国立博物館に寄託されており、数年に1度は公開される。
公開履歴
2022/5/24~6/19 奈良国立博物館「大安寺のすべて」
2020/12/8~2021/1/11 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
2017/12/9~2018/1/8 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-81
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00078-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色倶舎曼荼羅図
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくくしゃまんだらず
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1953.03.31