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情報|京都国立博物館「親鸞-生涯と名宝」2023/3/25~5/21

情報-博物館・美術館

親鸞聖人のこと

親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、鎌倉時代に始まった「浄土真宗」の開祖です。 親鸞は、現在の京都市伏見区日野の地で公家の日野一族として生まれ、9歳の時に青蓮院の慈円和尚のもとで出家します。 青年期は20年ほど比叡山で修業し、その後、浄土宗開祖の法然のもとで専修念仏に帰依しますが、やがて念仏は旧仏教勢力から弾圧され親鸞も越後国(新潟県)に流されてしまいます。 この頃に越後の地で妻帯して子をもうけたようです。 やがて許されると、関東地方で布教活動を行いながら浄土真宗の根本聖典「教行信証」を書き、60歳を過ぎた頃に京都に戻ってからも教行信証の推敲を重ね、90歳で亡くなるまで著作や布教を続けました。 

親鸞-生涯と名宝 展

今年2023年は、親鸞聖人が生まれてから850年、2024年は教行信証を記して浄土真宗を立教したとする年から800年にあたります。 浄土真宗の各派では記念法要が営まれるようで、京都国立博物館では親鸞聖人生誕850年特別展として「親鸞—生涯と名宝」が開かれます。

生涯と名宝のタイトル通り、親鸞の生涯の他、師や弟子など取り巻く人々、所縁の寺々に伝わる直筆の書物や寺宝など、京博と浄土真宗が総力を結集した展覧会では9件の国宝が公開されます。

第1章 親鸞を導くもの—七人の高僧—
第2章 親鸞の生涯
第3章 親鸞と門弟
第4章 親鸞と聖徳太子
第5章 親鸞のことば
第6章 浄土真宗の名宝—障壁画・古筆—
第7章 親鸞の伝えるもの—名号—

京都国立博物館「親鸞-生涯と名宝」チラシ

この展覧会で観られる国宝

観無量寿経註(親鸞筆)[西本願寺/京都]

【第1章】3/25~4/30のみ

「註(ちゅう)」というのは解説のことで、〇〇経註=〇〇経についての解説書、ということです。 この観無量寿経は、比較的若い時代の親鸞が自筆で観無量寿経を書写し、周辺の空白にその頃すでに成立していた様々な解説書の引用を書き加えたものです。 昭和18年に西本願寺で発見されました。


阿弥陀経註(親鸞筆)[西本願寺/京都]

【第1章】5/2~5/21のみ

発見当時は観無量寿経註と一体だったようで、阿弥陀経について同様に書かれたものです。 現在は別々の1巻として、国宝の指定もそれぞれでされています。

西方指南抄(親鸞筆)[専修寺/三重]

【第2章】3/25~4/23 巻上本、4/25~5/21 巻中本、巻中末
【第5章】3/25~4/9 巻上末、4/11~4/30 巻下本、5/2~5/21 巻下末

こちらも親鸞聖人の直筆の書で、生涯の師として慕っていた法然上人について書かれています。 法然上人が生きている頃の説法や問答の内容、行状などをまとめたもので、全6冊が第2章と第5章に分かれて公開されます。

教行信証(坂東本)(親鸞筆)[東本願寺/京都]

【第5章】3/25~4/9、4/11~4/30、5/2~5/21で2冊ずつ

浄土真宗の根本聖典である「教行信証」で唯一、親鸞の直筆によるもので、関東時代に書かれた草稿のようです。 関東大震災で被災するも、金庫の中で耐えたという東本願寺の至宝です。

三帖和讃(親鸞筆)[専修寺/三重]

【第5章】3/25~4/9 浄土和賛、4/11~4/30 浄土高僧和賛、5/2~5/21 正像末法和賛

和讃(わさん)は、仏や祖師、仏教を讃えるための賛歌で、比較的容易な日本語で書かれたものです。  親鸞が作った「浄土和讃」「浄土高僧和讃」「正像末法和讃」の3帖で構成されるので、三帖和讃と呼ばれています。

三十六人家集[西本願寺/京都]

【第6章】
3/25~4/9  遍照集、朝忠集、元輔集
4/11~4/30  猿丸集、兼輔集、順集
5/2~5/21  貫之集上、清正集、忠見集

平安時代末に作られた三十六歌仙の和歌集で、非常に華やかな装飾が施されています。 元は蓮華王院の宝蔵に収められていて、石山本願寺時代に天皇から下賜され、明治時代に西本願寺から発見されました。 昭和初期に「貫之集下」と「伊勢集」が売却され、分断されて掛け軸になったものも多く、「石山切」と呼ばれるのは元はこの三十六人家集だったものです。

類聚古集[龍谷大学/京都]

【第6章】3/25~4/30、5/2~5/21で4冊ずつ

「類聚」とは同じ種類のものを集めることで、この歌集は万葉集を「桜」や「雨」「春」などキーワードごとに分類したものです。 現在は西本願寺系列の龍谷大学の所蔵になっており、全20帖中の16帖が現存する中から、前後期で4冊ずつが公開されます。

熊野懐紙[西本願寺/京都]

【第6章】5/2~5/21のみ

平安後期~鎌倉時代に「熊野詣」が貴人の間で大流行し、特に後鳥羽上皇は生涯で30回近く詣でたそうで、この歌集は熊野詣の途中で開かれた歌会の和歌を、懐紙という紙に清書をしたものを貼り集めています。 西本願寺に伝わる1巻は、後鳥羽上皇の宸翰も含まれます。

親鸞聖人像[西本願寺/京都]

【第7章】
3/25~4/2「安城御影副本(蓮如賛)」※国宝附
5/2~5/14「鏡御影(覚如賛)」
5/16~5/21「安城御影(親鸞賛)」※国宝附

平安時代の絵画は個性を出さずにほとんどの人物が引き目鉤鼻で描かれますが、鎌倉時代に入るとここの人物の個性を描写した似せ絵(にせえ)が流行します。 これは親鸞聖人70歳ごろの肖像画で、似絵の名人と言われた「専阿弥陀仏」が描いたとされ、まるで鏡で写したように似ているということで「鏡御影」と呼ばれています。 附指定されている2幅の写本も別の期間に公開されますが、この内の安城御影には、晩年の親鸞による直筆の賛が入っています。

京都国立博物館「親鸞-生涯と名宝」チラシ部分

展覧会 概要

期間:2023/3/25~5/21
休館:月曜日
時間:9:00~17:30(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700、中学生以下無料

展覧会 公式サイト
京都国立博物館 公式サイト

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