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情報|東北歴史博物館「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」2023/4/15~6/11[宮城]

情報-博物館・美術館

悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展

東日本を大災害が襲った2011年からもう12年経ち、13回忌にあたる2023年に「東日本大震災復興祈念」として、古い時代から人々の心のよりどころになったであろう奈良と東北の「みほとけ」が一堂に集う展覧会が開催されます。 会場の東北歴史博物館や自治体、新聞社、TV局などが主催となり、たくさんの企業が後援や協賛についていて、秘仏や公開の少ない国宝や重要文化財がどっさりと公開される充実の展覧会です。 

唐招提寺の鑑真像や中宮寺の天寿国繍帳などは、関西地方の方でもなかなか観ることができないものなので、GWの遠征にもいいのではないでしょうか。 東北歴史博物館は国府のあった多賀城にあって、常設展では中尊寺金色堂や荘厳具などの模型や再現展示があるので、時間に余裕を持つことをお勧めします。 ご注意いただきたいのは公開期間で、前期・後期だけではなく期間に幅があって、叡尊像のように2週間弱しか公開されないものもあるので、いつ行くかも悩みどころです。

この展覧会で観られる国宝

※以下の写真は、所蔵館での公開時など撮影可能な時に撮影したものです。

通期

薬師如来立像[唐招提寺/奈良]

2019年に国宝に指定された木造仏6躯の内の1躯で、等身大ほどの大きさの如来立像です。 鑑真の連れてきた工人が関わっていると考えられていて、お顔の雰囲気が独特でエキゾチックな雰囲気です。

持国天立像・増長天立像[唐招提寺/奈良]

この2躯も2019年に国宝に指定された6躯の内の2躯で、他の4躯とは系統というか雰囲気がかなり違って、私たちが比較的よく見るタイプの奈良時代らしい四天王像に近いです。 普段は唐招提寺の講堂に安置されています。

梵天・帝釈天立像[唐招提寺/奈良]

こちらは1953年に国宝に指定された仏像で、唐招提寺本尊で国宝の『盧舎那仏坐像』の脇侍として金堂に安置されています。 金堂だと他の仏像比で小さく見えますが、180cmほどあるようですので、博物館のような空間でどう見えるか楽しみです。

興正菩薩叡尊像内納入品[西大寺/奈良]

叡尊(えいそん)は、鎌倉時代に西大寺を拠点に戒律の復興をした僧で、貧民の救済や架橋など公共事業にも熱心だったので、興正菩薩の諡号が贈られました。 この像内納入品は、5/30~6/11に展示される叡尊像の内部に納められていたもので、前後期で展示替えがあります。

興福寺金堂鎮壇具[東京国立博物館]

鎮壇具(ちんだんぐ)は、寺院などを建てる時に地鎮のために埋めた宝物類です。 東京国立博物館が所蔵するのは、明治7年に興福寺の中金堂の地中から発見されたもので、大型の金属容器や金の延べ板、鏡、銭、水晶玉など、貴重であったろう品々です。 興福寺の所蔵品にも同名の子億法がありますが、そちらは明治17年に発見されたものです。

興福寺金堂鎮壇具

紫紙金字金光明最勝王経[奈良国立博物館]

聖武天皇が各国に国分寺を建立したという事跡は教科書にも出てきましたが、その国分寺の塔に納められたのがこの金光明最勝王経で、国を護る護国の経典として奈良時代には非常に重要だったものです。 紫の紙に金泥で写経し、金が光るようにイノシシ等の牙で磨いたのだそうで、文字は今でもキラキラしています。 前後期で巻替えされるようです。

醍醐寺文書聖教[醍醐寺/京都]

醍醐寺文書聖教は、醍醐寺とその子院に伝わった7万点近い文書類で、経典や仏画だけでなく有力者の書状など様々な文書類で構成されます。 今回はその中から「東大寺大仏殿図」が展示されます。

4/15~5/14

釈迦如来像内納入品 [清凉寺/京都]

京都の嵯峨釈迦堂こと清凉寺には、清凉寺式釈迦如来と呼ばれるお釈迦様の生前の姿を写した(仏像を更に写した)釈迦如来像があり、この様式の釈迦像はいろいろなお寺でみかけます。 この仏像の中には経典や絹製の内臓が納められており、今回展示される「霊山変相図」はお釈迦様の住む霊鷲山の様子を絵にしたものだと思われます。

4/15~5/21

鑑真和上坐像[唐招提寺/奈良]

開期前から鑑真像が安置される様子がニュースやネットで話題になりました。 鑑真の名前を聞くとみんな思い浮かべる姿は、きっとこの像だと思います。 普段は秘仏になっていて、開山忌の6/6前後3日間しかご開帳されませんので、東北地方の方以外にとっても貴重な公開です。


刺繍釈迦如来説法図(勧修寺繡帳)[奈良国立博物館]

飛鳥~奈良時代には刺繍で仏画を作るのが流行ったようで、この繡帳と入れ替わりで公開される天寿国繡帳など、いくつかの作品が残っています。

こちらは非常に大きく、刺繍の技術が優れているそうで、唐から請来したという説と日本で作られたとする説と両方あるようです。

中央に赤い衣の釈迦如来を大きく描き、その周囲に菩薩や十大弟子、在家の人々など細かい表現はぜひ本物を観ていただきたいです。  よく見ると、チェーンステッチのような技法や玉止めを密集させるなど、今の刺繍でも使われる技法を使っています。

5/9~6/11

薬師三尊像[勝常寺/福島]

東北を代表する国宝仏像のひとつ、会津にある勝常寺の薬師如来で、チラシでも鑑真さんと向かい合っていた重厚感のある平安時代の仏像です。 こちらのお寺には平安時代の仏像がたくさん残っていて、薬師如来の他にも重要文化財の「十一面観音像」や「四天王立像」から2躯も出開帳されます。 

5/23~6/11

天寿国繡帳[中宮寺/奈良]

こちらの公開には非常に驚きました。 布製品は劣化の恐れが高いので公開期間が少なめで、この数年は聖徳太子の大遠忌で国立博物館を巡回していましたが、その前は数年単位で公開がなかったものです。 部分的にしか残っていませんが、亀の甲羅に文字が刺繍してあるのがとてもかわいらしく、中宮寺にはそのグッズも売っているほどです。

5/30~6/11

興正菩薩叡尊坐像[西大寺/奈良]

鎌倉時代に戒律を復興した叡尊の座像で、80歳のお祝いとして弟子たちが制作したのだそうです。 普段は西大寺の愛染堂の奥の部屋に安置されていて、畳に座って比較的近い場所から参拝することができますが、ちょっと飄とした雰囲気の優しい印象を受ける大好きなお像です。 像本体は展示期間が短いですが、中に納められていた納入品は展示替えしながら通期で公開されます。

展覧会 概要

期間:2023/4/15~6/11
休館:毎月曜日
時間:9:30~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,700、学生¥1,400、小中高生¥850

東北歴史博物館 公式サイト
悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展 特設サイト

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