国宝『鼓楼』
唐から渡日した鑑真和上が晩年を過ごした唐招提寺にある『鼓楼』は、実質的には「舎利塔」で、鎌倉時代に建てられたもの。 二階建ての小ぶりな塔か鐘楼のような建物で、二階部分はバルコニーのような縁と高欄が付けられている。
鑑真が唐から招来した仏舎利が安置され、舎利を納めた「舎利壺」を、「花網」というレースのようなものでくるみ、金の亀に塔を乗せた「金亀舎利塔」に納められている。 これらが一括で『舎利容器』として国宝に指定されている。
この国宝で行われる行事
5/19 うちわまき
唐招提寺中興の祖である覚盛上人の法要が講堂であり、その後に小型のハート形「うちわ」がこの鼓楼の二階からまかれる。 年に一度の行事だが、通常期も売店で購入することが出来る。
10/21~23 釈迦念仏会(礼堂にて)
鼓楼に安置されている鑑真招来の舎利を本尊として、隣にある「礼堂」で法要が開かれる。通常は鼓楼内に安置されて観ることのできない国宝の『舎利容器』が公開される。
鼓楼にある国宝
『』(以下が一括指定)
・白瑠璃舎利壺(鑑真和上将来舎利納入)
・方円彩糸花網
・金亀舎利塔
唐招提寺の国宝
『金堂』
『講堂』
『鼓楼』
『宝蔵』
『経蔵』
『鑑真和上坐像』(御影堂)
『盧舎那仏坐像』(金堂安置・脱活乾漆)
『薬師如来立像』(金堂安置・木心乾漆)
『千手観音立像』(金堂安置・木心乾漆)
『梵天・帝釈天立像』(金堂安置・木造乾漆併用/彩色)
『舎利容器』(白瑠璃舎利壺-鑑真和上将来舎利納入、方円彩糸花網、金亀舎利塔)
『薬師如来・衆宝王菩薩・獅子吼菩薩・大自在王菩薩立像』
『二天王立像(持国天・増長天)』(講堂安置)
この国宝を観るには
有料拝観エリア内にあるので、時間内ならいつでも見学できる。 内部に入ることはできない。
時間:8:30~17:00(受付は30分前まで)
料金:大人¥600、中高生¥400、小学生¥200
電車:近鉄「西ノ京駅」徒歩約10分
バス:JR奈良駅・近鉄奈良駅からバスあり「唐招提寺」下車
Webサイト:http://www.toshodaiji.jp/index.html
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2479
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00151
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】唐招提寺鼓楼
【ふりがな】とうしょうだいじころう
【員数】1棟
【時代・年】仁治元年(1240年)
【構造・形式】桁行三間、梁間二間、楼造、入母屋造、本瓦葺
【所有者】唐招提寺
【重文指定日】1900.04.07
【国宝指定日】1953.11.14
鑑賞ログ
2019年1月
鐘楼のような建物で和風が強い。 この二階からかわいらしい「うちわ」がまかれるらしい。 中の国宝『舎利塔』を観てみたいが、公開が年に3日のみ。