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国宝-絵画|扇面法華経冊子[東京国立博物館]

国宝DB-絵画

国宝『扇面法華経冊子』

平安末期に流行した装飾経の1種で、2つ折りの扇型の料紙にやまと絵を描き、その上に法華経を写経をしたもので、絵画として国宝指定されている。 鳥羽上皇の皇后である高陽院が納めたものだといわれ、当初は法華経8帖と開結2帖の合計10帖が揃っていた。 現在、完本で残るのは6帖で、四天王寺に5帖、東京国立博物館に1帖、その他は断簡となり各所に分蔵されている。

鋭角の扇型の料紙に、やまと絵で貴族の男女や庶民の暮らし、自然や風景などを描き、金銀箔をちりばめて華やかな彩色がされている。 枠線も扇型にあわせ、上が広く下に行くほど幅が狭くなり、文字もこれにあわせて下に行くほど小さい。 法華経は黒墨で書かれているが、女性の髪の毛や男性の烏帽子など黒地の部分には金泥で書かれている。 

仏教の天部「十羅刹女(じゅうらせつにょ)」は、鬼子母神とともに法華経の守護神とされ、扇面法華経冊子の表紙には各帖1人の羅刹女が描かれる。 十羅刹女は、天人のような姿で表されるものが多いが、この冊子では平安時代の装束姿をしている。

扇面法華経冊子[東京国立博物館]表紙
扇面法華経冊子[東京国立博物館]
扇面法華経冊子[東京国立博物館]
扇面法華経冊子[東京国立博物館]
扇面法華経冊子[東京国立博物館]

四天王寺の扇面法華経も国宝です

この国宝を観るには

東京国立博物館の国宝室や特別展で、数年に1度は公開される。

公開履歴

2023/11/7~12/3 東京国立博物館「やまと絵
2022/11/15~12/11 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて
2022/2/8~3/21 九州国立博物館「最澄と天台宗のすべて
2020/9/8~10/4 東京国立博物館 国宝室
2018/4/13~5/27 東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」
2017/1/2~1/15 東京国立博物館 国宝室
2014/10/15~12/7 東京国立博物館「日本国宝展」
2013/8/13~9/8 東京国立博物館「和様の書」
2011/3/23~2011/5/8 東京国立博物館 国宝室

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-30
【指定番号】00027-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色扇面法華経冊子〈巻第八/(二十二面)〉
【員数】1帖
【時代・年】平安時代
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。

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