国宝『勤操僧正像』
弘法大師空海の師だったとも伝わる「勤操僧正」の肖像画で、空海によって描かれたとする伝承がある。 絵の上部には、勤操の没後に弟子たちが木像を作ったときに空海が寄せた賛が書かれている。 縦166.4×幅136.4の大型の肖像画で、目の前の人に語りかけるような表情と手ぶりで、写実的に生き生きと描かれている。
勤操と普門院のこと
奈良時代後期~平安時代の僧「勤操(ごんそう)」は、奈良の大安寺で三論宗を学び、やがて宮中で講義を行うまでになる。 石淵寺の創建や、造営中だった平城京の西寺の別当をつとめ、大僧都に任じられた。 空海を剃髪した師とする説があり、帰国した空海から灌頂を受け、空海が高野山を開くと普門院を開いた。 没後に僧正位を贈られ、石淵僧正(いわぶちそうじょう)と称された。
この国宝を観るには
高野山内の文化財を管理・公開する「霊宝館」で公開されることがあるが、他の文化財に比べて機会は少ない。 所有する普門院の本堂には写真が展示されている。
公開履歴
2023/5/30~7/9 高野山 霊宝館「お大師さまから・お大師さまへ」
2022/4/23~4/29 奈良国立博物館「大安寺のすべて」
2021/10/5~11/28 高野山霊宝館「高野山の名宝」
2014/8/26~10/5 高野山霊宝館「山の至宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-108
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00105-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色勤操僧正像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくごんそうそうじょうぞう
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【ト書】図上に空海作故僧正勤操大徳影讃を墨書する
【所有者】普門院
【国宝指定日】1954.03.20