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国宝-絵画|鳳凰堂中堂 壁扉画[平等院/京都]

国宝DB-絵画

平等院のこと

宇治川の西岸にあった藤原道長の別荘を、道長の没後の永承7年(1052年)に長男頼道が寺に改めた。 この地は、更に古くは源融の別荘だったという。 頼道の頃に阿弥陀堂が建立され、その後も頼道の一族によって堂宇が整備されるが、後年たびたび戦火にあい大半が焼失している。 建造物が国宝に指定されている『鳳凰堂』には、現存唯一の大仏師「定朝」による国宝『阿弥陀如来像』や『雲中供養菩薩像』が現存する。 平成6年(1994年)に世界文化遺産に登録された。

平等院鳳凰堂

国宝『鳳凰堂中堂 壁扉画』

鳳凰堂の本尊『阿弥陀如来坐像』を安置する、鳳凰堂の中央部である「中堂」の内部には、扉と壁に彩色のやまと絵が描かれている。 国宝に指定された14面のうち11面に「九品来迎図」が描かれ、他に、阿弥陀如来の極楽浄土がある西の方向に陽が沈む様子を描いた「日想観図」や、本尊後ろの壁「仏後壁」には阿弥陀仏を供養する人々の姿が描かれている。

九品(くほん)とは、人間が往生を遂げるときに、その生前の行いによって、最上の「上品上生」から「下品下生」までの9段階に分けられ、お迎えに差が付くというもの。 旧扉と壁画に上品中生から下品下生までが、附指定の扉画2面に上品上生が描かれている。

九品来迎図
旧扉画 8面(上品中生、上品下生、中品上生、下品上生)
壁画 3面(中品中生、下品中生、中品下生、下品下生)
附指定 扉画2面(上品上生)

日想観図 扉画2面

本尊後壁画 1面

この国宝を観るには

平等院の拝観料とは別料金の、鳳凰堂の内部拝観で観ることができる。 内部拝観は案内付きで20分ごとに30名ずつのため、長い待ち時間が出たり、夕方近くは締め切られることもある。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-155
【指定番号】00146-00
【種別】絵画
【指定名称】鳳凰堂中堂壁扉画(板絵著色)
【員数】14面
【国】日本
【時代・年】1053年
【附指定】九品来迎図〈/扉画(上品上生)〉2面
【所有者】平等院
【国宝指定日】1972.05.30
【説明】鳳凰堂は、藤原頼通によって天喜元年(一〇五三)三月完成され、盛大に供養された。その内部を飾る壁扉画も当時一流の画家の手によったと思われ、観無量寿経の所説によって九品来迎【くほんらいどう】、日想観などが描かれている。いずれもやまと絵山水の景観の中に、聖衆【しようじゆ】の来迎のさまを見事にあらわし、平安時代絵画屈指の傑作として貴重である。すでに建造物で国宝に指定されているが、その重要性を考慮して、今回二重指定となったものである。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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