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特集|令和4年(2022年)国宝の追加指定

特集・まとめ・資料

2022年10月12日に、富山県高岡市にある勝興寺の『本堂』『大広間・式台』が国宝に指定されることが発表されました。

令和4年(2022年)国宝の追加指定

国宝や重要文化財などの文化財指定は時期がおおよそ決まっていて、美術品は3月頃、建造物は秋頃に文化審議会の答申が発表されていたのですが、コロナ禍で審議会の開催に影響があったのか、ここ数年は時期が読めなくなっています。 2022/5/20に文化庁から、建造物の文化財指定が発表されました。  日本初の鉄筋灯台「清水灯台」や吉野の「吉野神宮」26棟などが重要文化財に指定され、国宝はすでに指定されている国宝建造物の「附」が追加指定されました。 国宝の点数は増え?ましたが、件数はこれまでと変わりありません。 奈良市の「西ノ京」地区にある古刹「薬師寺」と「唐招提寺」で、修理で新しい部材に交換され使われなかった古材が、各国宝建造物の附指定となりました。

附(つけたり)指定とは

国宝や重要文化財など文化財は「件」という単位で指定され、1つの大規模な建物が複数の国宝で構成される場合から、数千数万といった膨大な古文書などが1件の国宝として指定されたり、四天王像や阿弥陀三尊像などセットで伝わった仏像類が1件として指定されることもあります。 そして、更に複雑にしているのがこの「附(つけたり)」で、いわば国宝の「おまけ」のようなものです。 どんなものがあるかというと、建物の建立についての情報を記した棟札や、経典が仕舞われていた経箱、絵画や工芸品について後世の有力者や著名人が書いた譲り状などの書状類、後世のある時期に複製されたり後補されたものなど、国宝に関する重要な資料や元々は国宝の1部であったものが多いです。

国宝『医心(半井家本)』の附指定「江戸幕府借用関係文書」東京国立博物館
国宝『細字法華経』の附指定「香木経箱」東京国立博物館

今回追加指定される国宝

薬師寺 東塔の古材

2009年~2021年まで明治以来の大規模な解体修理をした東塔では、部材の交換が多かったのか1,540点もの古材が附指定されるようです。 2021年~2022年には落慶記念として、東塔の内部公開で心柱がご開帳されたり、今回の修理で引退した塔の上に立つ「水煙」の特別公開があったりしていましたが、この水煙も古材に含まれるようです。 文化庁の報道資料だと、蓮のような模様の描かれた支輪板も載っているので、いつかまとめて公開して頂けたらいいですね。

国宝『薬師寺 東塔』古材 1,540点

薬師寺 国宝『東塔』

唐招提寺の国宝建築の古材

唐招提寺には5件の国宝建造物があり、今回は5件全ての建造物の古材が何点かずつ附指定されました。 それぞれ明治~昭和に大規模な修理を実施していて、その時に出た古材のようです。 文化庁の広報資料では、金堂の木鼻などが紹介されていました。

国宝『金堂』古材 11点
国宝『講堂』古材 53点
国宝『鼓楼』古材 21点
国宝『宝蔵』古材 4点
国宝『経蔵』古材 9点

唐招提寺 国宝『金堂』
唐招提寺 国宝『宝蔵』『経蔵』

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