国宝『梵天・帝釈天立像』
唐招提寺は、奈良時代の759年に鑑真が創設した寺院で、律宗の総本山である。 金堂には9体の仏像が安置されるが、全て国宝に指定されている。 この『梵天・帝釈天』は本尊の国宝『盧舎那仏坐像』の脇侍として両脇に安置されている。
本尊『盧舎那仏』は脱活乾漆造、『薬師如来』『千手観音』は木心乾漆造だが、『梵天・帝釈天』は木造で、作成年も奈良時代末~平安時代の初期だと思われる。 本尊が5m超えと大きいので小さく見えるが、2体とも180cm後半で等身像である。
奈良時代らしいどっしりとした立像で、鎧を着けた上からゆったりと裳をまとっている。 同じ金堂内の四天王像も同年代頃の木像仏だが、武将らしいりりしい姿をしており、この梵天・帝釈天の柔らかさが引き立つ。
ここで画像が見られます
唐招提寺のサイト内で金堂の諸仏画像が見られます
その他の唐招提寺の国宝
鑑真和上坐像(御影堂)
盧舎那仏坐像(金堂安置・脱活乾漆)
薬師如来立像(金堂安置・木心乾漆)
千手観音立像(金堂安置・木心乾漆)
梵天・帝釈天立像(金堂安置・木造乾漆併用/彩色)
舎利容器(白瑠璃舎利壺-鑑真和上将来舎利納入、方円彩糸花網、金亀舎利塔)
薬師如来・衆宝王菩薩・獅子吼菩薩・大自在王菩薩立像
二天王立像(持国天・増長天)(講堂安置)
この国宝を観るには
金堂内に安置されているので、拝観時間内ならいつでも観ることができる。
寺外での公開
2023/4/15~6/11 東北歴史博物館「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-233
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00071-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造〈梵天/帝釈天〉立像(所在金堂)
【ふりがな】もくぞうぼんてんたいしゃくてんりゅうぞう
【員数】2躯
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【ト書】各の台座に戯画がある
【所有者】唐招提寺
【国宝指定日】1953.03.31
鑑賞ログ
2019年1月
梵天・帝釈天と言えば東寺の象とガチョウに乗った一対だけど、こちらは全く趣が異なり、古い時代の文官姿の四天王や、奈良から平安あたりの菩薩のような姿をしています。 いかにも奈良の古いお寺のものという感じ。