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国宝-絵画|一遍上人絵伝(一遍聖絵)巻第七[東京国立博物館]

国宝DB-絵画

一遍上人のこと

10歳の時に母と死に別れ、父の勧めで出家した一遍は浄土宗の寺々で修行を積む。 父の死で故郷の伊予に帰り、半僧半俗の生活をするが、再び修行の道に戻る。 その後悟りを得た一遍上人は、各地を遊行(諸国行脚)して念仏札を配ったり踊り念仏を行い念仏を広めていく。 一遍の没後、弟子の真教上人が教団を組織化し、一遍は時宗の開祖とされる。

国宝『一遍上人絵伝 巻第七』

一遍亡き後に、弟子(または弟ともいわれる)の聖戒(しょうかい)が詞書を書き、法眼の位を授かっていた円伊という画僧が画を描いた絵巻物12巻で、完成したのは一遍の没後10年だった。 一遍上人の生涯を描いたものだが、遊行の場面などは名所にも重点を置き、人物が小さめで景色や各地の寺社などが詳細に描きこまれているので、歴史資料としても価値が高い。

絵巻物は一般的に紙に描かれるが、本品は画書とも絹布に描かれている。 やまと絵の技法を基本としながらも、山水などには宋画の影響もみられる。 詞書は、制作当時の能書家4名によって書かれている。

全12巻として京都の歓喜光寺から神奈川の清浄光寺(遊行寺)に伝わったが、7巻だけは江戸時代頃に流出し、実業家の原三渓等の所有を経て現在は東京国立博物館が所蔵している。 清浄光寺(遊行寺)の『一遍上人絵伝』も、補完された7巻も含め国宝に指定されている。

一遍上人絵伝 巻第七[東京国立博物館]
一遍上人絵伝 巻第七[東京国立博物館]
一遍上人絵伝 巻第七[東京国立博物館]

この国宝を観るには

2~3年に一度程度、常設展や特集展示に出展されるほか、他所美術館・博物館へ貸し出される場合もある。

公開履歴

2023/10/11~11/5 東京国立博物館「やまと絵
2022/11/1~11/13・12/13~18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて
2021/5/11~6/13 東京国立博物館 国宝室
2019/4/13~6/9 京都国立博物館「一遍聖絵と時宗の名宝展
2017/8/29~2017/9/24 東京国立博物館 国宝室
2015/11/3~2015/12/13 東京国立博物館「一遍と歩く」
2013/5/28~ 2013/6/23 東京国立博物館 国宝室
2011/8/23~ 2011/10/2 東京国立博物館 国宝室

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-32
【指定番号】00029-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色一遍上人絵伝〈法眼円伊筆/巻第七〉
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくいっぺんしょうにんえでん
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】正安元年(1299年)
【作者】法眼円伊
【所有者】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。

この国宝の他の巻は

国宝『一遍上人絵伝(法眼円伊筆)』清浄光寺(遊行寺)

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