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情報|比叡山延暦寺 国宝殿「比叡の霊宝」2022/9/23~12/4[滋賀]

情報-寺社・ご開帳・イベント

国宝殿開館30周年記念特別展「比叡の霊宝」

昨年は、弘仁13年(822年)に亡くなった最澄の1200年大遠忌で、国立博物館3館で大規模な展覧会が開かれました。 最澄が開いた天台宗の総本山の「延暦寺」には、天皇の命でしか開けられない勅封の唐櫃があり、最澄ゆかりの寺宝が納められていて、3ヶ所の展覧会で数点ずつ公開されていました。 今年は、延暦寺の宝物館「国宝殿」の開館30周年だそうで、勅封唐櫃に入っている国宝が今回も公開されるようです。 延暦寺には1件の建物を入れると10件の国宝がありますが、その内の『羯磨金剛目録』と『嵯峨天皇宸翰 光定戒牒』以外は、今回の特別展で公開されます。 しかも料金は据え置きの大人¥500でびっくりです。 延暦寺の国宝殿は名前に国宝と付きますが、国宝が公開されていないことが多いので、いつか延暦寺に行ってみたいと思っている方は、この秋が行き時だと思います!

この展覧会で観られる国宝

前期(9/23~10/30)

刺納衣

最澄が入唐した時に、師の行満から七条袈裟と共に譲られた僧衣で、天台宗の実質的な開祖「智顗(天台大師)」の所用だと伝わります。 前後の身頃と袖の一部しか残っていませんが、布地を継ぎ合わせ刺し子が施されています。 布製品は劣化の恐れがあり公開が少ないため、こちらもぜひ観ておきたい1点です。

天台法華宗年分縁起(最澄筆)山家学生式

最澄が嵯峨天皇に宛てて書いた3通の文書で、最澄の悲願だった「戒壇(正式に僧侶になるための儀式を行う場所)」を延暦寺に作るために、執筆をつづけていたのだそうです。 ここで書かれている「一隅を照らす」は、今でも天台宗の寺院でよく見かける言葉です。

伝教大師将来目録

最澄や空海ら遣唐使などで唐に渡った僧たちは、自身が仏教を学んだり会得するだけでなく、貴重な経典や仏具などを日本にもたらしました。 これは最澄が日本に持ち帰ったもののリストで、最澄自身が記録した貴重なものです。

金銀鍍宝相華文経箱(横川出土)

比叡山延暦寺の横川(よかわ)から出土した経箱で、金銀メッキで宝相華模様の装飾をした金属製の経箱です。 円仁が書写して塔に納めていた法華経を、平安時代の僧がこの経箱に入れて埋納したもので、藤原道長の娘で一条天皇の中宮になった彰子も結縁して写経を納めています。

国宝『金銀鍍宝相華文経箱(横川出土)』のレプリカ

後期(11/1~12/4)

七条刺納袈裟

最澄が入唐した時に、師の「行満」から譲られた袈裟で、行満の師で天台宗の第六祖とされる「湛然(荊渓とも)」が所用したものだと伝わります。 刺し子のような刺納(しのう)という技法で作られた、枠に囲まれた部分が7列ある「七条袈裟」です。 昨年度に国立博物館3館で開かれた「最澄と天台宗のすべて」でも、京都会場だけで期間限定で公開されたレア国宝です。

伝教大師入唐牒

入唐牒は役所が発行するパスポートや通行手形のようなもので、最澄が唐に渡った時の2通が残っています。 往路用は明州(中国浙江省寧波)で発行、復路用は台州(中国浙江省台州市)で発行されています。

六祖恵能伝(慧能伝)

六祖慧能とは、禅宗で6番目の祖である恵能のことで、最澄が遣唐使船で入唐した際に、恵能に関する伝記をもたらしたもので、前期に公開される国宝『伝教大師将来目録』にも記録が残されています。 紙の継ぎ目には最澄自身が記した「澄封」の文字がみられます。 京都会場のみで公開されます。

宝相華蒔絵経箱

延暦寺には、中国・随時代の高僧で天台宗の第3祖とされる「天台大師智顗(ちぎ)」が書いたという伝説の法華経があり、それを納めるために平安時代後期頃に作られた蒔絵の経箱です。 宝相華と唐草で描いた大きな円模様を各面に1~2つ配置していて、上部の角をとるなど7~8世紀頃の様式を取り入れた古風なものです。

後期の後半(11/14~12/4)

尺牘 久隔帖(伝最澄筆)[奈良国立博物館]

尺牘(せきとく)は、漢文で書かれた書状のことで、最澄の弟子で空海に預けていた「泰範」に宛て書かれたものです。 弟子宛としながら内容的には空海に質問をしているので、空海の目に触れることも想定して書かれたのでは、と考えられています。 本文が「久隔清音」で始まるので「久隔帖」と呼ばれています。

国宝『尺牘 久隔帖(伝最澄筆)』

延暦寺で観られる国宝

根本中堂

延暦寺の本堂にあたる建物で、外陣から延暦寺の象徴でもある「不滅の法灯」や、最澄が刻んだと伝わる本尊「薬師如来」を参拝できます。

建物が国宝なのですが、2016年から約10年間の計画で改修工事に入っており、外観はプレハブの工場のようです。 ですが、工事ならではの足場上からの工事見学というレアな姿も観ることができるので、これはこれで面白いですよ。

工事中の国宝『延暦寺 根本中堂』

展覧会 概要

日程:2022/9/23~12/4
時間:8:30~16:30(12月は9:00~16:00)
休館:10/31(展示替え)
料金:一般¥500、中高生¥300、小学生¥100

延暦寺 公式サイト

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