国宝『聾瞽指帰(ろうこしいき)』弘法大師空海筆
空海が唐に渡る以前の延暦16年(797年)24歳の時の自筆文書で、自身が出家して仏教の道に進むことを親族に表明した文書。 仏教・儒教・道教の3つの教えについて、架空の人物が討論を行う形式で書かれており、後に序文などを改定して「三教指帰」を完成させた。 空海の書の中と確実視されている中では最も古く、入唐前の唯一の真筆と考えられ、王義之風の書体で力強く書かれている。
下巻の巻末には貞和丙戌秋(貞和2年/1346年)に書かれた夢窓疎石による跋文があり、澄恵による寄進状1巻は附指定されている。 これらによると、大覚寺の寛尊法親王から夢窓疎石が拝領し、自身が再興した西芳寺から仁和寺に伝わり、仁和寺から高野山に納められている。
空海筆の国宝
聾瞽指帰[金剛峯寺/和歌山]※このページ
潅頂歴名(灌頂暦名)[神護寺/京都]
風信帖[東寺/京都]
三十帖冊子[仁和寺/京都]
大日経開題[醍醐寺/京都]
金剛般若経開題残巻[京都国立博物館]
金剛般若経開題残巻(空海筆)[奈良国立博物館]
狸毛筆奉献表[醍醐寺/京都]※伝空海筆
この国宝を観るには
高野山内の文化財を管理・展示する「霊宝館」で数年に1度は公開される。 博物館などでの特別展に出展されることもある。
公開履歴
2024/10/19~11/10 高野山 霊宝館「高野山と世界遺産」
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2023/4/15~7/9 高野山 霊宝館「お大師さまから・お大師さまへ」
2022/10/1~10/14、11/7~11/20 愛媛県美術館「国宝 高野山 金剛峯寺」
2021/4/17~11/28 高野山霊宝館「高野山の名宝」
2018/4/14~7/8 高野山霊宝館「室町時代の高野山」※附指定の寄進状のみ
2018/2/10~3/11 九州国立博物館「王羲之と日本の書」
2017/10/17~10/29 京都国立博物館「国宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-761
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00251-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】聾瞽指帰〈弘法大師筆/〉
【ふりがな】ろうこしいき
【員数】2巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】各縦28.3cm、全長:巻上10.11m・巻下11.76m、紙数:巻上18紙・巻下21紙
【ト書】下巻貞和二年夢窓疎石跋
【画賛・銘等】首題「聾瞽指歸 一巻〈并序〉」、尾題「聾瞽指歸 一巻」
【伝来・他】本文:巻上三百九十二行・巻下四百四十行、下巻巻末に貞和丙戌秋夢窓疎石跋文あり
【附指定】澄恵寄進状(天文五年三月廿一日)1巻
【所有者】金剛峯寺
【国宝指定日】1963.07.01