大山祇神社のこと
瀬戸内海に浮かぶ「大三島」にあり、社伝によると仁徳天皇の御代に創建されたといい、伊予国の一の宮とされた。 全国の山祇神社や三島神社の総本社で、海や戦の神とされる大山積神をまつるため武門の信仰が厚く、多数の奉納品が伝わっている。
国宝『紺絲威鎧(兜・大袖付)』河野通信奉納
伊予(愛媛)の武将で、平安末期の諸戦では源氏方について戦功をあげた武将「河野通信(こうのみちのぶ)」が、戦勝の御礼として奉納したもの。 時宗の開祖とされる「一遍上人」は、河野通信の孫にあたる。 平安末期の堂々とした大鎧で、大袖や草摺の平小札(ひらこざね)は、黒漆を塗った鉄と革を1枚おきに配し、太めの紺色の麻糸で威している。
この国宝を観るには
本殿の隣に「宝物館」があり、原則として開館時間内はいつでも観ることができる。 宝物館では、8件の国宝全てが原則として常時展示されている。 写真撮影は禁止。
宝物館で観られる国宝
紺絲威鎧(兜・大袖付)※このページ
赤絲威鎧(大袖付)
紫綾威鎧(大袖付)
沢瀉威鎧(兜・大袖付)
牡丹唐草文兵庫鎖太刀拵
禽獣葡萄鏡
大太刀 銘 貞治五年丙午千手院長吉
大太刀 無銘 伝豊後友行
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-349
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00062-00
【種別】工芸品
【指定名称】紺絲威鎧〈兜、大袖付/〉
【ふりがな】こんいとおどしよろい〈よろい、おおそでつき〉
【員数】1領
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】高76.0cm、兜鉢高12.5cm、大袖高41.0cm
【品質・形状】黒漆塗鉄と革の平札を一枚交じりに紺糸をもって毛引に威し、啄木で耳をとり、畦目と菱縫を紅猿鞣で飾る。胴は立ち挙前二段、後押付、逆板、立挙の三段、衝胴四段
【所有者】大山祇神社
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】一部に補修があるが、総体に原形を止め、平安時代末期鎧の特色がうかがえる。現存する同様式の鎧遺品は数少なく、また本鎧では麻糸威しであることが注目される。 社伝では、源頼朝の武将河野通信奉納と伝える。