読み継がれた源氏物語 展
今から約千年前に、一条天皇の中宮になった藤原彰子に仕えていた紫式部が書いた「源氏物語」は、現代まで読まれ続けただけでなく、後世の文学や美術に大きな影響を与えてきました。 美術館や博物館が好きな方なら「源氏物語の〇〇の巻を主題として~」といった表記をご覧になることが多いのではないでしょうか。
尾張徳川家の伝世品が元になっている徳川美術館では、所蔵する国宝の源氏物語絵巻を、毎年秋に公開しています。 今回は展覧会のテーマを「読み継がれた源氏物語」として、恒例の源氏物語絵巻公開のほか、源氏物語の古写本や絵画、作者紫式部に関する資料、源氏物語を主題にした調度品から偐紫田舎源氏といったパロディ本まで、長く私たち日本人が楽しんできた源氏物語に関する様々な資料が観られるようです。
この展覧会で観られる国宝
五島美術館で毎年秋に公開される紫式部日記が、今年は徳川美術館に出張しています。 彰子が一条天皇の皇子(後一条天皇)を産んだ後の、五十日の祝の様子が描かれていて、まさに源氏物語の世界が繰り広げられています。 通常展でも公開されている、源氏物語の初音の巻をモチーフにした「婚礼調度」からは、化粧道具を収める十二手箱が公開されます。
紫式部日記絵詞[五島美術館]
11/8~11/25「第一段」「第二段」
11/26~12/13「第三段」
源氏物語絵巻[徳川美術館]
11/26~12/13「橋姫」
婚礼調度[徳川美術館]
「初音蒔絵十二手箱」
名品コレクション展示室で観られる国宝
徳川美術館は、特別展と通常展の「名品コレクション」があり、いつ行っても国宝が観られます。 だいたい刀剣類から1点と、家光の長女で尾張徳川家に輿入れした千代姫の婚礼調度から1~2点が公開されますが、今回は、国・県・住友財団の支援で行われた修復から3点のうち2点も公開されるので、いつもより豪華な名品コレクションになりそうです。
短刀 無銘正宗(名物庖丁正宗)
10/21~12/13
婚礼調度
9/24~11/17「初音蒔絵旅櫛箱」
10/21~12/13「初音蒔絵旅香具箱」「初音蒔絵見台」※修理後初公開
11/18~12/13「葵蜀江文蒔絵伽羅割道具」
徳川園ライトアップ
徳川美術館には、尾張徳川家の庭園だった「徳川園」が隣接していて、典型的な池泉回遊式の大名庭園と、季節の花々が楽しめます。 11月下旬の週末7日間は、営業時間を夜19:30まで延長されて、紅葉のライトアップが楽しめます。 例年は夜20:30までのようですが、今年は新型コロナ対策で1時間短くなったようです。
11/20(金)~11/23(月・祝)
11/27(金)~11/29(日)
展覧会 概要
期間:2020/11/8~12/13
休館:毎月曜日(11/23は開館、11/24が休館)
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,200、高大生¥700、小中生¥500
徳川美術館 公式サイト