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情報|奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」2020/12/8~2021/1/17

情報-博物館・美術館

春日若宮おん祭のこと

奈良の春日大社の「春日若宮おん祭」は、春日大社本殿の南にある「若宮神社」の祭礼で、毎年12/17を中心に執り行われます。 若宮神社のご祭神は、国宝『春日大社本殿』の第3殿に祀られる「天児屋根命」と第4殿の「比売神」との御子神「天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)」です。 水の神として、本殿に合祀されていましたが、水害による飢饉や疫病を鎮めるために、関白藤原忠通が保延元年(1135年)に社殿を造営し、祭礼を行ったのがおん祭の始まりです。 

春日大社 若宮神社

どんなお祭かというと、若宮さまに1日だけ外出していただき、様々な芸能でおもてなしをするというものです。 12/17の0時に若宮神社から奈良国立博物館の南あたりの「お旅所」へ若宮さまをお遷しし、巫女の舞やお供えの後は、田楽・東遊・様々な舞楽が次々と演じられ、23時頃まで続きます。 猿楽、流鏑馬、大名、5mを超える大太刀などの長大な行列も見ものです。 このお旅所では、春日大社国宝殿の1Fに置かれている、国宝『鼉太鼓』のレプリカが、実際に使用されるんですよ。

2020年は新型コロナ感染拡大防止で、若宮神社付近やお旅所付近での参観は、残念ながら「ご遠慮ください」となってしまいましたが、近鉄奈良駅前からJR奈良駅近くまで行って三条通をもどってくる行列は観覧可能です。 密を避けてご観覧ください。

春日若宮おん祭では、春日大社国宝殿の鼉太鼓が使用される

奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」

若宮おん祭が開かれる前後には毎年、奈良国立博物館で関連展示が企画されます。 おん祭の起源や、祭礼で使われた面や衣装などが展示されるほか、春日大社の美術品も多数公開されます。 特に今年は春日大社の神使の鹿「神鹿(しんろく)」の美術品にスポットが当てられるので、とてもカワイイ構成になりそうです。

奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」チラシ

この展覧会で観られる国宝

若宮御料古神宝類[春日大社/奈良]

春日大社本殿の古神宝や、他の古社の古神宝もいくつか国宝に指定されていますが、衣装や化粧道具など身の回りの品が多いんです。 こちらの若宮さまは御子神ということもあってか、武具類や動物をかたどった細工、楽器などで構成されます。 今回はその中から「銀鶴」「銀鶴及磯形」が出展されます。

奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」チラシより

同時期に奈良国立博物館で観られる国宝

今回の展覧会は、特別展ではなく通常展の料金で観られます。 入館してすぐ上の東新館が会場ですが、同料金の¥700で、西新館の「新たに修理された文化財」と「珠玉の仏教美術」、なら仏像館と青銅器館も観られるという高コスパ展覧会です。 

なら仏像館

2/23~は、金峯山寺仁王門の金剛力士立像が展示されるようで、12/20からしばらく休館になるようです。

~12/20
国宝『薬師如来立像』[元興寺/奈良]

西新館「新たに修理された文化財」

近年修理された、自館や寄託の文化財が展示されます。 作品だけでなく、修理の工程や修理前の写真も公開されて、どれだけのエネルギーで文化財が維持されているか、痛感できる展示です。

2020/12/22~2021/1/17
国宝『木造天蓋』部分「飛天像」[法隆寺金堂/奈良]

西新館「珠玉の仏教美術」

あまり宣伝もされず地味な展示ですが、いつも国宝・重要文化財がどっさり出展される楽しみな展覧会です。

2020/12/8~2/14
国宝『紫紙金字金光明最勝王経
国宝『大和国粟原寺三重塔伏鉢』[談山神社/奈良]
国宝『中尊寺金色堂堂内具』から「迦陵頻伽文華鬘」「幡頭」[中尊寺金色院/岩手]

2020/12/8~1/11
国宝『倶舎曼荼羅』[東大寺/奈良]
国宝『阿弥陀三尊・童子像』[法華寺/奈良]
国宝『法華経(久能寺経)』随喜功徳品第十八[個人蔵]
国宝『紺紙金字一切経』から附「一切経箱」[中尊寺大長寿院/岩手]
国宝『金銅密教法具』[厳島神社/広島]
国宝『花鳥彩絵油色箱』[東大寺/奈良]

1/13~2/14
国宝『聖徳太子及天台高僧像』から、~1/24「慧思」、1/26~「聖徳太子」[一乗寺/兵庫]
国宝『金光明最勝王経』[西大寺/奈良]
国宝『長谷寺経』から「法華経一品経」[長谷寺/奈良]

展覧会 概要

期間:2020/12/8~2021/1/17
休館:毎月曜日(祝日は開館し、翌平日が休館)、12/28~1/1
時間:9:30~17:00
料金:一般¥700、大学生¥350(この期間は全館共通)

奈良国立博物館 公式サイト

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