伝わるかたち/伝えるわざ 展
東北歴史博物館のある多賀城は、奈良~平安時代に国府や鎮守府が置かれて、近畿地方で発展した政府が、東北を支配する拠点とした場所でした。 坂上田村麻呂が東征した時も、ここが拠点の1つになったのではないでしょうか。 東北歴史博物館は、多賀城跡の調査研究所も併設されていて、常設展では多賀城の歴史も詳しく紹介されています。
年に3回ほど開かれる特別展ですが、今回は「伝わるかたち/伝えるわざ」として、日本の建築を技術的な視点で紹介する展覧会のようです。 国宝の建築を観てまわると「禅宗様」「三手先」「蟇股」など、最初は???な言葉がたくさん出てきます。 この展覧会では、建築のポイントごとに、特徴的な建築物の模型などが展示されるので、ここで勉強すると今後の鑑賞がずっと楽しくなりそうです。 昔の人が残した、図面や拓本なども出展されるようです。
この展覧会で観られる国宝
称名寺聖教/金沢文庫文書[称名寺/神奈川]
神奈川県にある「称名寺」は金沢北条氏の氏寺で、金沢文庫は同氏が邸宅内に設立した武家の文庫です。 2万点ほどが一括で国宝に指定されていて、今回は前後期あわせて3点の建築や内装に関する図面が出展されます。
前期(9/26~10/25)
「真言院指図」
「高野山金堂図」
後期(10/27~11/23)
「三宝院灌頂堂図」
この展覧会で「模型」「拓本」が観られる国宝
※模型は部分のみの模型も含まれます
古い時代の日本の代表的な建築物が、模型や図面で紹介されるので、国宝もかなりたくさんあります。 模型だと、普段は見ることができない天井裏や高い場所なども確認できますし、非公開部分を覗けるのも楽しそうです。
建物の模型
平等院 鳳凰堂[京都]
慈照寺(銀閣寺) 東求堂[京都]
仁科神明宮 本殿[長野]
法隆寺 五重塔[奈良]
薬師寺 東塔[奈良]
西本願寺 飛雲閣[京都]
如庵[愛知]模型
妙喜庵(待庵)[京都]
組物(柱や梁の組み合わせ方)の模型
法隆寺 東院伝法堂[奈良]
法隆寺 三経院[奈良]
唐招提寺 金堂[奈良]
東大寺 南大門[奈良]
東大寺 鐘楼[奈良]
円覚寺 舎利殿[鎌倉/神奈川]
蟇股(梁を支える部材、装飾にも)の拓本
法隆寺 東大門[奈良]
宇治上神社 本殿[京都]
當麻寺本堂(曼荼羅堂)[奈良]
大崎八幡宮 本殿・拝殿[宮城]
木鼻(突き出した木材の端)の拓本
浄土寺 浄土堂(阿弥陀堂)[兵庫]
長弓寺 本堂[奈良]
薬師寺 東院堂[奈良]
その他の展示品
犬山城 天守[愛知]図面
海龍王寺 五重小塔[奈良]古部材
展覧会 概要
期間:2020/9/26~11/23
休館:毎月曜日(11/23は開館)
時間:9:30~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,200、シルバー¥1,100、小中高生¥400
東北歴史博物館 公式サイト