第61回 京都非公開文化財特別公開
毎年春と秋に1ヶ月半ずつ開催される非公開文化財の特別公開は、その時によって公開内容が違って、ほぼ毎回のところもあれば、ごく稀にしか公開されないところもあります。 今回は、舞鶴や丹後など京都北部がまとまって公開されるのが珍しいのですが、そのエリアでの国宝公開は松尾寺の宝物殿で10/22~11/24の国宝『普賢延命像』だけで、これは毎年春秋に公開されるのでそこまで珍しいわけではありません。 京都市内の国宝は7か所で、比較的定番な特別公開が多めですが、醍醐寺の五重塔初層はあまり公開されないので、迷ったら醍醐寺をお勧めします。 西本願寺の飛雲閣もそれほど公開が多い方ではないですが、今回は中に入ることができなさそうな事と、年明けの「京の冬の旅」でも同様の公開があるようです。
期間:2025/10/25~12/7
時間:09:00~16:00(受付終了)
料金:一般¥1,000、中高生¥500
※期間・時間・料金とも、公開場所によって異なることがあります
公開される国宝
★は国宝 ◎は重要文化財
国宝『賀茂別雷神社(上賀茂神社)』
期間:10/25~12/7(除外日時あり)
内容:★本殿、★権殿、◎高倉殿で神宝公開、神職による案内
※上賀茂神社は期間外にも特別参拝可能
数年前の特別公開時の情報になりますが、拝殿の棟にある部屋で神職の方から神社の縁起を説明頂き、その後にお祓いをしてから本殿前に進みます。 参拝後の神宝公開は自由見学でした。

国宝『賀茂御祖神社(下鴨神社)』
期間:10/25~12/7
内容:★東本殿・西本殿、◎三井神社、◎大炊殿、◎神服殿、氷室、資料館ほか
西本殿の手前にガラス張りの参拝ルーム的な部屋があり、そこから両本殿を観ることができます。 お供えの食べ物を準備した大炊殿など、複数の重要文化財建築も観ることができます。

国宝『知恩院 三門』
期間:10/25~11/9
内容:★三門、◎宝冠釈迦如来像、◎十六羅漢像、◎善財童子像、◎須達長者像、天井画ほか
11/1の10:30~と13:30~、三門でミニ講演会あり
特別公開以外の国宝『本堂(御影堂)』(拝観料不要)
知恩院の三門はいつでも観ることができますが、特別拝観では二層に登ることができます。中には釈迦像を囲むように十六羅漢像が安置され、天井や柱は華やかな絵画で飾られています。 間近で見る扁額の大きさに驚かされます。

国宝『醍醐寺 五重塔』
期間:11/15~11/30
内容:★五重塔(初層開扉)、★初重壁画
料金:別途拝観料¥600が必要
五重塔は普段は扉が閉ざされていて、毎月29日に納経をすると扉から中をのぞけますが、それ以外で開扉されるのはとても珍しいです。 心柱を囲むように醍醐天皇と皇后、天皇に即位した皇子お2方の位牌がまつられています。 内部の壁面には両界曼荼羅図や真言八祖が描かれていて、五重塔とは別に絵画として国宝に指定されています。
特別公開以外の国宝『金堂』『三宝院 表書院』『三宝院 唐門』
宝物殿で『薬師三尊像』『醍醐寺文書聖教』『初重壁画』の一部が公開中

国宝『西本願寺 書院』
期間:11/4~11/18(6・7・10・11・16は拝観休止)
内容:★対面所(鴻の間)、★雀の間、◎南能舞台、虎渓の庭
特別公開以外の国宝『阿弥陀堂』『御影堂』『唐門』(この3つは拝観料不要)
西本願寺の応接間的な場所で、通常は非公開ですが、毎月16日のほか特別公開が時々あります。 襖絵が見事で、各室の意匠から「雀の間」「鴻の間」などの名前で呼ばれています。

国宝『西本願寺 飛雲閣』
期間:11/4~11/18(6・7・10・11・16は拝観休止)
内容:★飛雲閣、滴翠園(国名勝)
今回、西本願寺では2か所が特別公開されていて、この飛雲閣の方が公開が少ないです。 滴翠園という日本庭園から池越しに飛雲閣を観ることができます。

国宝『東寺 五重塔』「東寺 講堂(国宝多数)」
期間:10/25~11/9
内容:★五重塔(初層内陣)、◎講堂(★五大菩薩像、★五大明王像、★梵天・帝釈天像、★四天王像)
料金:一般¥1,200、高校生¥700、中学生以下¥500
特別公開以外の国宝『大師堂(西院御影堂)』(無料)『蓮花門』(外側から無料で観られる)『観智院 客殿』(別料金)
宝物館(別料金)で『兜跋毘沙門天立像』『密教法具』
東寺の境内は無料なので五重塔の外観は開門中はいつでも観ることができますが、この特別公開では初層が開扉されて、中の仏像と壁画を観ることができます。 これ以外の期間でも、金堂と講堂は年中拝観可能で、五重塔も年に数回は開扉されます。

