★新型コロナウィルス感染拡大防止のため、開催中止になりました。 中止のため展示リストも公開されず答え合わせができませんでしたが、このページは残しております。
京都市京セラ美術館「京の国宝」
平安神宮の南、博物館や京都市動物園など、文化施設の集まる「岡崎」エリアにあった「京都市美術館」は、2017年から3年にわたるリニューアル工事を経て、2020年春に再オープンします。(ただし、新型コロナウィルスの関係で日程が変更になるかもしれません)
オープニング企画の1つ「京の国宝」は、国宝と皇室の名宝とで40件もの作品が並ぶ、日本の古美術の展覧会。 文化庁・宮内庁・読売新聞が中心になって進めている「紡ぐプロジェクト」が中心になっているようです。
勝手に予測「京の国宝」
この展覧会、公式サイトも会場のWebサイトを見ても情報が少なく、まだ10件ほどしか内容が確認できません。 情報を探してネットをうろうろしていたら、なんと展示設営の入札資料を見つけてしまいました。 公共施設や公益財団が主催に入っているからでしょうか、公募で入札するんですね。 リンクを貼っていいか迷ったので、皆さまもどうぞそれらしいキーワードで検索してみてください。
そして現在、新型コロナウィルス拡大防止ということで、美術館・博物館もほとんど休館、自粛要請が出て週末はずっと自宅にいる上に、在宅勤務も増えて通勤時間もないので、ヒマを持て余しております。 あんまりヒマなので、このリストに書かれている数少ない情報(ジャンル・年代・サイズ)から、どの国宝が展示されるか予想してみます(笑) あくまでも素人の予想ですので、笑ってご覧ください。
この展覧会で観られる国宝(公表済み)
まず、各Webサイトや雑誌などで公開されている出展情報です。 この国宝は間違いなく公開されるはずのもので、これもリストに当てはめていきますね。 作品目のリンクは、このサイトの国宝情報ページに飛びます。
国宝『梵天座像』[東寺]
国宝『二十八部衆立像』から「婆藪仙人」[三十三間堂]
国宝『十二天像』から「火天」「水天」「毘沙門天」「地天」[京都国立博物館]
国宝『三十帖冊子』[仁和寺]
国宝『明月記』[冷泉家時雨亭文庫]
国宝『御堂関白記』[陽明文庫]
国宝『法然上人絵伝』[知恩院]
国宝『太刀 銘 久国』[文化庁]
国宝『玳玻天目茶碗』[相国寺]
国宝『伊能忠敬関係資料』から「琵琶湖図」[香取市伊能忠敬記念館]
国宝『鞍馬寺経塚遺物』[鞍馬寺]
展示内容リスト
★新型コロナウィルス感染拡大防止のため、開催中止になりました。
ここからが、入札情報に出ていたリストと、その内容からの予想です。 リストの情報は斜太字、その下が私の予想です。 まったく見当がつかない国宝も多いので、皆さまもどうぞ調べたり予想したりしてください。
絵画
絵1-1 六曲屏風1隻 平安 縦146.4、横42.7(各扇)
絵1-2 六曲屏風1隻 江戸 縦141.8、横41.2(各扇)
平安時代の屏風だと「山水屏風」だと思いますが、この作品だけ「-1」「-2」と枝番が付いているのが気になります。 神護寺の『山水屏風』は、附で模本が国宝指定されているので、その2点なのかなと予想しています。
絵2 掛幅4幅 平安 各縦144.2、横126.6
これは、情報が公開されている京都国立博物館の『十二天像』と思われます。
絵3 絵巻2巻 鎌倉 各縦26.1、横25.5~49.4
これは全く予想が付きません。 絵3の方は、横幅が25.5~49.4となっているので、断簡で絵詞になっていそうです。 五島美術館の『紫式部日記絵巻』『源氏物語絵巻』あたり?と思ったら、両作品とも同時期に所蔵館で公開中。 なんでしょうね?
絵4 白描絵経1巻 鎌倉 縦26.1、全長826.9
これは装飾経の「目無経」と思われます。 ただし、京博の『白描絵料紙墨書金光明経』か、五島美術館の『白描絵料紙理趣経』かはわかりません。
絵5 絵巻4巻 鎌倉 ①縦33.2、全長993.5 ②縦33.2、全長1042.4 ③縦32.9、全長1151.9 ④縦32.8、全長1053.4
これが情報が公開されている知恩院の『法然上人絵伝』でしょうか? これが外れると、他の予想も狂ってきますが。
絵6 絵巻2巻 鎌倉 ①縦40.5、全長1394.1 ②縦40.7、全長1728.7
かなり長めの絵巻で、1件で2巻以上あるんですよね。 しかも鎌倉時代の作品で京都に関係する。。。 『一遍上人絵伝』とか???
絵特1 絵巻2巻 南北朝 ①縦29.2、全長838.8 ②縦29.2、全長1736.5
この「特」は何だろうかと考えたのですが、特別出展の宮内庁所蔵のものかと思われます。 次代が南北朝って少ないんですよね。 宮内庁の「北野天神縁起」っていつ頃の作品なんでしょう?
絵特2 絵巻2巻 鎌倉 ①縦40.0、全長635.0 ②縦41.5、全長1208.5
これは時代とサイズから宮内庁の「春日権現験記絵」でしょうか。
絵特3 絵巻2巻 江戸 縦34.0
こちらも宮内庁と思われますが、江戸時代の絵巻物ってなんでしょうか。 古いものの模本とかですかね? これも全く見当がつきません。
彫刻
彫1 木造立像2軀 鎌倉 高210、幅85、奥70(本体高170、岩座高30、方座高10)
立像とだけで、菩薩とか如来と入っていないので、天部かなと思います。 そして2躯以上あり、サイズから考えると、公表されている三十三間堂の『二十八部衆立像』かなと思います。
彫2 木造菩薩像2軀 平安 総高40.0~87.0
平安時代の菩薩像2躯で、像高が40cmと87cmって何でしょうね? そんなサイズで一連で指定された菩薩像なんてありましたっけ?
彫3 木造菩薩像1軀 平安 総高57.2、最大幅39.8
これも平安時代の菩薩像ですが、1躯で57.2cmなので、醍醐寺の『虚空蔵菩薩立像』とか?
彫4 木造坐像1軀 平安 高180、幅96、奥96
彫刻ラインナップで唯一の坐像なので、当時の『梵天座像』と予想。
彫5 木造立像1軀 平安 高270、幅90、奥56
彫刻6点が全て平安時代の作品で、ヒント少なめの彫刻部門。 これも立像としか書いていないので、天部かなと予想。 浄瑠璃寺の『四天王立像 』って270cmもあるかな? 東寺の『四天王立像』とか?
彫6 木造立像1軀 平安 高80、幅55、奥55
これも謎です。 高さ80cmで立像としか書かれていない。 幅と奥行が55cmずつっていうのは、台座の大きさなのかしら?
工芸品
工1 蒔絵宝珠箱1合 平安 縦20.6、横20.6、高15.4
工芸品は、けっこう見当がついています。 これはサイズも名称も、仁和寺の『宝相華蒔絵宝珠箱』で間違いないと思います。
工2 蒔絵経箱1合 平安 縦33.0、横20.3、高17.0
これも名称・サイズから、延暦寺の『宝相華蒔絵経箱』 ですね。
工3 密教法具1具 平安 金剛盤:縦19.7、横34.8、高6.6 五鈷鈴:高25.8、口径7.7 五鈷杵:長24.0、張7.5
国宝の密教法具は、東寺と厳島神社のものがありますが、サイズ的に東寺の『密教法具』と思われます。
工4 線刻鏡像1面 平安 径15.1、縁厚1.2
こちらは、泉屋博古館の『線刻釈迦三尊等鏡像』で間違いなさそうです。表情が柔らかい素敵な仏様です。
工5 古神宝類一括 平安
国宝の古神宝は7件ありますが、平安時代となると春日大社『古神宝類』『若宮大社古神宝』と厳島神社『古神宝』です。 春日大社は藤原氏、厳島神社は平家に関係があるので、どちらも京都に縁がありますよね。
工6 毛抜形太刀1口 平安 総長96.3
刀の長さから、春日大社の『金地螺鈿毛抜形太刀』 と思われます。 宮中を警護した衛府が付けた刀ですね。
工7 手箱1合 室町 縦26.8、横35.1、高23.3
室町時代の手箱は、単品ではそれらしいものが見当たらないので、どこかの古神宝の1部と思われます。 足利氏が奉納した熊野速玉大社の『古神宝類』?
工8 飾剣1口 平安 総長71.5
これも単品では長さがあうものがないので、春日大社の『古神宝』にある「黒漆平文太刀」と予想。
工9 太刀1口 鎌倉 長さ78.8
長さ78.8cmで、おそらく山城国の刀工でしょうから、東博の『太刀 銘 来国光嘉暦二年二月日』と思われますが、わずか1ミリ違いの『太刀 銘 定利』なんてこともある?
工10 太刀1口 鎌倉 長80.4
これは出展が公表されている、文化庁(国)所有の『太刀 銘 久国』でしょう。
工11 茶碗1口 南宋 高6.4、口径11.7、高台径3.5
この小ささは、相国寺の『玳玻天目茶碗』です。 3月末まで半年近く展示されていましたが、すぐに出張です。
工12 花生1口 南宋 高33.6、口径11.0、胴径14.1、底径11.5
国宝の花生(花入)は3点ありますが、サイズから和泉市久保惣記念美術館の『青磁鳳凰耳花生(銘万声)』でしょう。
書跡・典籍
書1 書跡2帖 平安 各縦27.2、横16.7
書は国宝数も多くて非常に難しかったです。 この書跡2帖というのも全く見当がつきません。 歌集とは書いていないので『日本霊異記』とか『医心方』あたり?
書2 冊子4帖 平安
名称が「冊子」となっているので、公表されている仁和寺の『三十帖冊子』を当てはめてみました。
書3 額字4幅 南宋 ①縦45.5、横103.0 ②縦43.9、横92.7 ③縦74.2、横37.0 ④縦75.0、横36.7
これは名称が「額字」なので、東福寺の『禅院額字并牌字』でしょうが、19点あるので、何が観られるか楽しみです。
書4 宋版一切経2帖、経箱1函 南宋 “①縦29.0 横11.3 32折、②縦29.0 横11.3 82折、③経箱 縦35.2 横17.3 高20.8”
これはもう名称が『宋版一切経』となっていました。醍醐寺のものだと思います。
書5 寺記2巻 南北朝~室町 ①縦42.0、全長2130.6 ②縦42.0
名称が「寺記」となっているので、当時の『東宝記』かなと思いましたが、醍醐寺や仁和寺もそんなのありましたっけ?
書特1 詩文集1巻 平安 縦27.5、全長187.6
宮内庁所蔵の書は、2点ともサイズからほぼ確定です。 これは小野道風筆の「玉泉帖」でしょう。
書特2 書状集1幅 唐 縦26.2、横58.4
これもサイズからほぼ間違いなさそうな「喪乱帖」は、王羲之とあってギョッとしましたが「搨本」とあり、拓本のようですね。 それでもすごいですが。
古文書
古1 日記2巻 平安 縦33.0、全長1260.0
日記2点は公表されていて、こちらは平安時代の『御堂関白記』だと思われます。 陽明文庫の所蔵です。
古2 書翰1通 16世紀 縦60.6、横76.4
これは一体何でしょう??? 時代的には室町末期~戦国時代の終盤なので、誰か戦国武将のものでしょうか?
古3 宸翰1巻 南北朝 縦32.0、横93.0
宸翰として単品で国宝に指定された南北朝時代のものだと、醍醐寺の『後醍醐天皇宸翰天長印信』 だと思いますが、寺院などの一括登録の文書類にも宸翰はあるので、どうでしょうか。
古4 奉請状1幅、図案1巻、起請文1通、奉請状1幅 南北朝~室町
奉請状:縦33.5、横54.5、図案:縦54.5、横84.5、起請文:縦29.0、横91.7、奉請状縦43.5、横62.0
これはどこかの一括文書だと思いますが、『醍醐寺文書聖教』 は書跡・典籍として国宝指定されているので、『東寺百合文書』かな?
古5 日記2巻 鎌倉 ①縦31.2、全長1004 ②縦28.0、全長1995
もう1点公表されている日記、冷泉家時雨亭文庫の『明月記』は鎌倉時代なので間違いないと思います。
考古資料
考1 宝塔一基、経筒一合、金銅三尊像三躯 平安~鎌倉 宝塔:総高57.6、基壇方27.9 経筒:総高24.9、筒身径12.0
この組み合わせは、鞍馬寺の本堂裏から出土した『鞍馬寺経塚遺物』でほぼ確実。
考2 金銅墓誌1面 奈良 縦58.8、幅5.9、厚さ0.4
奈良時代の墓誌なので、崇道神社の『金銅小野毛人墓誌』で間違いないと思います。
考3 金装大刀残闕1口 平安 刀身:全長70.9、幅2.7
これは単品の指定ではなさそうで、時代と京都関係ということから、京都大学の『山科西野山古墳出土品』と予想してみます。
歴史資料
歴1 海図1幅、絵図1幅、記録3冊、日記1冊、日記2冊、器物1点、器物1点
歴史資料からの出展は1点だけなので、公表されている『伊能忠敬関係資料』です。 けっこうたくさん展示されそうですね。